【銀魂】紅華の女医

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《高杉 サイド》


あいつに手刀を打ち、気絶させた。
そうでもしねぇと、まともに会話出来ねぇだろ。



「そっちは終わったか？」




「晋助様！あの小娘、無事捕獲出来ました！！」




夜兔の娘の方はすばしっこく力強いが、所詮は小娘。




「あの娘を頑丈な枷でもはめさせて、牢にでも入れておけ。」




「そちらの方もですか？」





武市は恐らくこいつの事を言っているのだろう。気絶したAを抱き抱える。





そんな勿体無え事する訳ねぇだろ。
あの時からどんだけ探したと思ってんだ。





「ククッ…久しぶりに会えたんだ。こいつは俺が部屋に運ぶ。お前らはあの娘の監視を頼む。」





「「はい…。」」



………


部屋に運べば、目を覚まさないあいつを布団に寝かせる。




「10年ぶりだな…、A。」




あの時以来の再開。てめぇが生きてるって聞いてどんなに安心したか……。




お前がカラス共に攫われて何も出来なかった俺達はどんなに悔やんだ事か。





また大切な人をあいつ等に奪われ、
どれだけ屈辱か…。お前は知っているか？





腰まで伸ばしていたAの髪は今でも短いまま。その首元には身の覚えのある青い髪紐が巻かれてある。





なのに何でだ……。
お前さんも忘れてねぇんだろ…？





いや…忘れられねぇ筈だ。





「俺達はこの世界に大切な人を奪われた、お前は二度も。なのにどうしてそんな奴等を救う…？」




昔の幼げさが無くなったAの頬を撫でる。




目が覚めたあいつは俺が知らねぇAだった。





昔のあいつは……俺が好きな笑顔は何処にも見当たらねぇ。




気に食わねぇ…何もかもが。





『……っ、殺すなら早く殺せば良いものの。
何が目的なの…晋助。』






「……俺達の隊に加わって念願の仇討ちを取るか、それともあの小娘と同じ目に合うか。……っ…！」





『私に触らんといてくれます？油断してはるとまた刺されちまうで。』




「…そうかィ、せいぜいあの牢で枯れるまで朽ちてなァ。」








ガッシャン……。




「……この女見張っておけ。」




「「はっ…！！」」




俺等の勧誘を断わった事、後悔するまで分からせてやらァ…。





「そこで目を覚ませ…A。」

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