22. 巻き込まれますが ページ27
不気味な笑みを浮かべながら先頭を歩く夜兎の少年。その後ろを大人しくついて行く私。
彼は今の所何も喋らない…。
会話はなるべく避けたいから、この空気は寧ろ好都合。このまま部屋へと着けば良いのにと願うが、
その願いもつかの間にぶち壊される。
「何処に行ってたんだよ、団長〜。急に何処行っちまって…。ん?その女は?」
中年の身体付きが大きい男性。この人も夜兎か。それに…子供…。
「底らへんにあったから積んできた。ね?良い香りのする華だろう?阿伏兎。」
「生きのいい華程、棘があるもんだぜ?団長。」
『何言ってはるんですか?ほな、わっちをそちらまで連れてってくださいな。』
こんなにも夜兔が集まるなんて……。
目的地はやっぱり……。
目的の部屋に辿り着き、阿伏兎と呼ばれた男性が戸を引く。
(……っ…!!)
ごめんね。沖田君……。
私、フラグ立てたみたい……。
…………
「………これはこれは珍しいご客人。
ーーーー春雨第七師団団長、神威殿?」
「やっぱり地球のご飯は美味しいね。」
最悪だ……。
目の前には夜兎の王、鳳仙と、
私の隣には犯罪シンジゲート宇宙海賊春雨のエリートの部隊と呼ばれる、第七師団団長。
凄まじい勢いで何杯分程の酢飯桶を平らげてる。彼等が薬をよせてる奴らか分からないが、
どうにかして逃げる機会を作らないと…。
「幼くしてその地位に登りつめた貴殿がこんな所でなんのご用かな。」
話を聞く限り、鳳仙はかつての第七師団の団長で、面倒な事を押し付けられて困ってると神威は主張した。鳳仙はこの土地で彼が理想とする桃源郷を作り上げたんだとか…。
「人も老いれば、身と心が乾く。その身を潤すのは酒、心を潤すのは女よ。若い主には分からんだろう。」
「いえ、分かりますよ。」
……この子の場合は花より団子だろうけど。
「ほう、しばらく合わぬ内に飯以外の味も覚えたか。言え、酒か女か。」
「じゃあ…日輪と一晩。手みやげも用意してあるんです。その方がきっと喜んでくれるでしょ?」
と扉の向こうから出て来たのは先程の子を連れた阿伏兎さんの姿が。
(あの子供は人質だったのね……。)
それを見た鳳仙は眉間にしわが寄っていた。
彼の気に障ってしまったのか、空気が重くなるのを感じる…。
…これは、激しい闘いが始まるな……。
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目覚まし時計の針 - 関西弁の赤髪キャラ…あれ…なんか天国が見えr((( (2022年9月10日 18時) (レス) @page38 id: 0727e3cb02 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - イチゴミルクさん» はじめまして!読んでくれてありがとうございます!長い間ずっと更新していなかったので、待たせてしまった事の申し訳無さと、それでも読んでくれて、応援のメッセージをくれる方が居てくれた嬉しさでいっぱいです。残りの物語を更新出来るよう頑張ります! (2022年7月5日 7時) (レス) id: f190ad2f2f (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼ッ!最近見始めたばかりなのですが京都弁夢主ちゃん可愛いしかっこいい…!あと,設定見た瞬間に,楠本…あ,私の苗字…え,運命?((()夢主ちゃんお嫁にもろてm((()更新頑張って下さい!応援してますッ (2022年7月3日 21時) (レス) @page3 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月 - いえいえ!いつも楽しく読ませていただいてます!これからも頑張ってください!! (2019年11月3日 18時) (レス) id: 7a59223088 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 蒼月さん» コメントありがとうございます!!毎回読んで頂き、こちらとして励みなります! (2019年10月28日 17時) (レス) id: fe3feae032 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年10月21日 6時