泡が22つ ページ34
いつの間にか、目的地のフーシャ村に着いたらしく 数時間遅れで船から出た僕。
『昨日は流石に徹夜しすぎた…』
重い瞼を開けて、欠伸をしながら久し振りの地面に足をつける。昨日は、徹夜をしてしまい朝方このフーシャ村に着いたものの眠気に勝てず、皆には先に行っていい。という趣旨を伝え眠りに入った。
小さな風が吹くたびに、ピンで止めた横髪が靡く。
ここの土地を視界いっぱいに広げれば、昔師匠と暮らしていたあの島に少し似ている気がして自然に笑がこぼれる。
そんな中、ふとあるお店からウタと男の子が走り出していくのが見えた。きっとあのお店にシャンクス達がいるんだろうな、とぼんやり考えながら中に入る。
「お！起きたかA」
『おはよ、シャンクス。さっき、ウタが男の子と外へ出てたけどいいの？放っておいて』
僕に気づいた皆が一斉に、おはようと挨拶をしてくれる。
それに応えながら、シャンクスに聞けば「構わない」と言ってグビグビと飲み物を口に入れていく。
『ふーん。』
僕に比べると、ウタに対してのシャンクスの行動は凄く甘く少し顔が引き攣ってしまう。それと同時に、嫌悪感も心の奥底で湧いてきて、その感情がバレないよう即座に押し殺す。
「Aくん、これ良かったら」
『ありがとうございます』
カウンターで、飲み物を僕の目の前に置いてくれる女性。マキノさんと言うらしく僕が来るまで酒のつまみにされていた僕やウタの話を、それはもうすごく楽しそうに聞いてくれていたらしい。
そんなマキノさんに『うちのウタがお世話になります』と、お兄ちゃんなんて呼ばれたことの無い僕が軽く挨拶をすれば 「いいのよ」と笑顔で返してくれる。
それと同時に、先程ウタと外に出て行った男の子は ルフィという名前で、船に乗せてとシャンクスに頼み込んでいる という話もしてくれた。なんて可愛い7歳なんだ。
連れて行ってあげて、シャンクス。と心の中でお願いしておいた。
そんな僕とマキノさんの挨拶が一通り終わり、シャンクスが「そうだ」と何かを思い出したように声をかけてくる。
「お前、何か欲しいものはねぇのか？」
『欲しいもの？特にないけど、なんで？』
突然、聞かれた欲しいものという単語に思い当たる節が無く 首を傾げたまま、なんで？と聞けばポカーンとした顔で見てくるシャンクス。
挙句、お前に物欲というもんは無いのか と罵られる。今ならお頭といえどシャンクスを殴ってもいいような気がする。1発なら許される。
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2023年3月5日 14時) (
レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました！何回も読ませてもらいます！お疲れ様でした！ (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます！嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした！！ (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です！本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです！新作等たのしみにしていますね！♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月12日 3時
