泡が11つ ページ23
怪我も治り、包帯を取れるようになったある日。
ウタが買い物に行きたいとおねだりをして、船が目的とは真逆の島で止まった。
「それで、何を買いに行くんだ?ウタ」
「お洋服に決まってるでしょ!」
そんな気はしていた と言わんばかりに苦笑いをして頭をかく。そんなシャンクスの腕にくっついて歩くウタ。
やっぱり、いつ見ても家族みたい。
『羨ましい』
「買い物に行くのがか?」
いつの間にか隣にいたヤソップに聞かれていたらしく、ニヤリと不気味な笑みを浮かべられる。
少し引き気味に離れて、『ちがうよ!』と答えれば「そうかそうか!」と笑われる。
『ヤソップは?』
「ん?」
ウタ達と一緒に行かなくていいの? そう問えば、俺はいいんだ。と返ってくる。変なヤソップ。
少しの沈黙の後、銃の手入れをし始めるヤソップに改めて向きな直って聞いてみる。
『ヤソップってさ、子供産まれた時幸せだった?噂のウソップくん』
「ぶふっ、おまっ、どうしたんだよ急に」
急な質問に驚いたのか吹き出してあわて始めるヤソップに、疑問になりつつ口を開く。
『僕を産んだ人は、どういう気持ちだったんだろうって思って』
「…」
僕の言葉を聞いて、顔を歪めるヤソップ。聞いちゃいけない質問だったかなと僕が焦り始めて『あはは、変なこと聞いてごめん。気にしないで』そう話を中断すれば、ワンテンポ遅れて返ってくる言葉。
「俺はアイツに何もしてあげらんなかったけどよ。生まれた時はそりゃもうとびきりに嬉しかったさ。当たり前だろ?」
「Aの生みの親が、どう思ってたか俺には分かんねぇけどよ。もしお前がお師匠さんに見つけてもらえてなかったら、俺達も出会ってなかったわけだ。」
「つまりな、あんまり気負い過ぎるんじゃねぇよA。お前はお前だ、それでいい。知りたいなら大きくなってから見つけても間に合うさ。な?」
僕の頭に手を置いて微笑むヤソップ。
今日はやけに陽の光が強くて、やけにヤソップが輝いて見えた。ありがとう、ヤソップ。今日はちょっぴりかっこいいね。
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2023年3月5日 14時) (レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました!何回も読ませてもらいます!お疲れ様でした! (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます!嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした!! (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です!本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです!新作等たのしみにしていますね!♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パチュリー | 作成日時:2022年9月12日 3時