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淡が3つ ページ11

___side


アタシはAの事を、息子 と呼ぶ。
そしてAは、アタシのことを師匠とよぶ。

それだけ。たったそれだけなんだ。
たったそれだけの事なのに、胸が引き締められて暖かくて苦しいのは何故なんだ。

否、きっと気づいているんだ_________



この雪山は、アタシとAが無法地帯になっていた島に家を設けたことが始まりで出会った。
ここに留まる前、アタシとAは 何故か行く場所を転々としていて、止まることを知らなかった。

そんな中、見つけたこの雪山 天候が荒れる時もあるが普段は基本的に差はなく、平均的には山の経験が無い人でも住めるということで、病気で苦しんでいる他の島の人を診察するため、長期入院という形をとってアタシが診察をしている。この形を取るには、アタシから出た診断書と許可書が必須。それが無いってなれば追っ払うしかない。

アタシは、この地に居る患者の名前は愚か性別や好き嫌い、薬の抵抗などについて全て覚えている。
だからこそ分かるんだ、あの子が一緒に雪で遊べる程元気ない患者はここには誰一人としていないと。

嫌な予感しかしない。
そう思い、海沿いを歩き不審なものがないかチェックをする。

「おーいお頭」

何処と無く聞こえた声、この少し荒れた雪の下で微かに聞こえた言葉。その方向へ向かえば確かに船があった。
やはり、昨日Aと遊んだのはこいつらか。

『おい!このクソ野郎、船長はどいつだ』

そう言えばこちらに気づいた船員達がワナワナと出てきて、各々で反論していた。
この島のルールにも従わないで入ってくるお前らが悪い。
そんなことを考えながら奥の方に目をやると、赤髪の男が周りの者を静かにさせ船から降りてくる。

「すまなかったなぁ、ばぁさん」
『誰がばぁさんだ、まだ30代だ』

「すまんすまん」と笑い転げるこいつは一体なんなんだ。
そう思ったのもつかの間、続けて口を開ける男。

「すまないが、暫くここに居させてくれないか」
『この島は、アタシの診断書と許可書がなきゃ入れないのさ。ほら、帰った帰った。』

そのまま追い出してやろうと、男の背を押しながら船へ戻そうと足を進める。
男はその体制のまま、話を続け、ピタリと自分の足が止まるのを感じた。

「今、俺の仲間が怪我をしていてな。船医もいるから幸いなことに重症にはなってないんだが心配で、しばらくこの島に留まらせてもらいたいんだ。」

そういう男の顔は、何故だかAに少し似ている気がした。

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設定タグ:ONEPIECE , 赤髪海賊団 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2023年3月5日 14時) (レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました!何回も読ませてもらいます!お疲れ様でした! (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます!嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした!! (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です!本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです!新作等たのしみにしていますね!♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パチュリー | 作成日時:2022年9月12日 3時

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