泡が2つ ページ2
初めは些細な事だった。
『あ、ウタ！それ僕の海老！』
「好きな物最後まで残しておくAが悪いんだもーん！」
夕食に出た、海老の天ぷらを取られたり。
『ウタそれ、僕の服だよね…？』
「Aがいつもオシャレに着てて羨ましかったから、着ちゃった！」
僕の服を、羨ましがって勝手に着ていたり。
そんな小さなことだった。初めは、本や周りの家族から聞く兄妹喧嘩だと思って 何だか憧れの妹が本当に出来たんだと実感できたから、そんな些細なこともなんやかんやで嬉しかった。
だけど、歳を大きく重ねるにつれて段々と悪意地も働いてきて 偶に良くない方向に行くこともあった。
「これをやったのは、ウタだな？」
「ち、ち、違う…よ、。あ！そう！Aだよ！Aがやったの！」
『え』
船の壁にクレヨンで落書きをしたウタ。シャンクスに怒られるのが嫌で、僕がやったと嘘をついた。
シャンクス本人もそれを理解してるはずなのに、何故か僕の方へ向かってくる。
「A…。俺たちがウタを見てやれない時は、お前がウタを見てやるという約束だっただろ…？それなのに、」
『まって、シャンクス！違うんだ僕じゃない！僕、さっきまで部屋にいたんだ。それに、ウタは』
ウタは、シャンクス達が暫く部屋にいてくれ と言ってたから 部屋に大人しくいてね。と聞いた上でいつの間にか居なくなっていたんだよ。 そう言おうとした。
少しため息をついて、分かってるとでも言いたげな目をするシャンクス。
「すまないが、アイツらの手伝いをお願いできるかA。」
『………うん』
ウタが汚した壁を雑巾で擦るベックマン達。なかなか落ちないようで、遠目にでも分かるほどのため息をつき始めている。
持っていた本を、自分が着ていた羽織もので巻き床に置き 掃除の手伝いを始める。
チラリと横目でウタを見れば、今にも泣きそうに目を潤ませ、スカートの端をギュッと握っている。その顔に、シャンクスや他のみんなは弱いのをわかっててやっているのか、はたまた分かっていないのか。
正直、僕には分からないけど この後、何事も無かったかのようにシャンクスが許してしまうのは、何となくわかる。
お兄ちゃんは、やっぱり妹の片付けもするものなんだよね。お掃除好きじゃないけど、妹の為だもんね。
このクレヨン落とさないと、赤髪海賊団が馬鹿にされちゃうもんね。
わかってるよ。わかってる。大丈夫だから、そんな優しい手で僕を撫でないで。
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2023年3月5日 14時) (
レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました！何回も読ませてもらいます！お疲れ様でした！ (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます！嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした！！ (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です！本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです！新作等たのしみにしていますね！♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月12日 3時
