みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.5 ページ6

side 蓮



目「はぁ……、、、あっ！！！」



余韻に浸ろうとした時


彼女の名 前を聞いてないことに今更気がついた



走って追いかけようとした時



渡「おい目黒。」



後ろから聞こえる低い声



目「あ…、翔太くん、」

渡「お前どこ行ってたんだよ」

目「あ、いや、」



ハッとして前を向くと


さっきまで小さく見えていた彼女の姿は


もうとっくに見えなくなってしまっていた



目「……飲みすぎて、トイレに、」

渡「もー、1人で勝手にどっか行ったりすんな。必ず俺に連絡しろ」

目「トイレもっすか？」

渡「当たり前だろ。一般人じゃねぇんだから。モデルの自覚持て」



翔太くんはしょうがなさそうにドアを開けて


戻れるか？と声をかけてくれた


俺はそれに頷いて


また会場に戻る


もわっとする色んな人の香水の匂いがきつい


彼女の匂いで鼻はいっぱいだったのに



ラ「あ、めめ！大丈夫？」

目「おう。もう平気」

ラ「良かったー、。なかなか戻ってこないから連絡したのにそれも見ないし、」

目「あ、悪い、」



"一般人じゃないんだから"


その翔太くんの言葉が頭をぐるぐる回る


そうだ、俺は芸能界で生きてる


彼女はきっと、一般人と呼ばれる人だ


さっきのはきっと気の迷いで、酔っていたから



渡「今日はもう帰るぞ。送るから準備して」

目「……うす、」

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