みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.38 ページ39

side 蓮



コンコン、と扉が叩く音がして


開いた先には宮舘さんが立っていた



宮「翔太に1時になったら教えてって言われたんだけど……、」



目の前の翔太くんと深澤さんはまだ眠りについたまま



「あれ、もう帰るの？」

目「あ、そうっす。俺明日午後から仕事なんで、翔太くんが遅くても1時って…、」

「……そうなんだ、」



あ、辰哉さん起こすね


って椅子から立ち上がる彼女


どうして今、そんなに寂しそうな顔をしたの？


まだ一緒に居たいって、思ってくれたの？


そんなことは聞けなくて


寝起きの悪い翔太くんに


宮舘さんが苦戦するのをただただ眺めていた



「辰哉さん、起きてください〜」

深「ん〜、いやだあ」

「駄目です」

深「まだ帰らないの！」

「もー、」

深「さんけんめ、だめ、？」

「だーめ。帰りますよ」



だーめ、と子供扱いされている深澤さんに嫉妬する気持ちで



目「じゃ、俺と2軒目行きましょ？」



なんて、彼女の腕を掴んだ


驚いた目でまた俺を見る彼女



目「いちいちびっくりしすぎ、笑」



なんて笑ってみる


今の彼女の目に俺はどう写っているのだろう


ただの年下の厄介者なのか


それとも



「………明日お仕事あるなら、今日はだめ、」



1人の男として見えているのか



目「次の日休みならいいんですか？」



そんなの、今はどうだって良かった



「…………時間が合えば、」



今この瞬間だけは


彼女の目に俺しか写っていないことは


誰の目からしても明白だったから



目「じゃあ、また連絡します」

「うん、待ってるね」



ほら、辰哉さん帰りますよ


と、深澤さんの手を強く引いた彼女は


宮舘さんと一緒に深澤さんを連れて出ていった

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