みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.27 ページ28

side 名前



不意になる携帯


通知を覗けば、亮平くんからのLINE



阿〈仕事終わったよ！〉
阿〈今から迎えに行っても大丈夫？早い？〉



そんなLINEに胸が踊ってしまう


亮平くんが迎えに来てくれる、それが私にはとても幸せなことで



〈お疲れ様！〉
〈辰哉さんすでに酔いすぎてるから、来てくれるとすごく助かる〜(＞＜)〉



そう返すと


おっけー笑、と返ってきた


職場からは車で10分ほど


すぐに亮平くんが着くのは分かりきっている


お支払いして、辰哉さんともう行かなきゃ


お財布からお金を出そうとした時


目黒さんの声が聞こえた



目「……俺、払っときます」



「え、いやいや、申し訳ないよ」



目「払わせてくださいっ」



「え、でも……、」



目「その代わり、って言うのもあれですけど…、」

目「今度は2人で、俺らも飲みに行きませんか」



私はその提案に頷くことは出来なかった


だって私には


亮平くんという、愛おしい彼氏がいる


辰哉さんは亮平くんとも仲がいいし、


2人で呑みに行くのは


亮平くんとも面識がある会社の人だけって決めている


それに


私には、もう一度目黒さんと会いたい、という気持ちはほとんど無かった


それだけ亮平くんに溺れてるんだろうって


自分でも笑ってしまう



「おやすみなさい」



すっかり私にも笑顔を向けてくれるようになった翔太さんと


不服そうな顔で見送ってくれた目黒さん


お店を出ると目の前に止まっている1台の車



阿「あらら。ふっか飲みすぎてるねー笑」

「亮平くん、ごめんね。ありがとう」

阿「全然いいよ〜。舘様もありがとう！」

宮「大丈夫。逆にごめんね、止められなくて、」



亮平くんが舘様って呼ぶのは


今でも可笑しくて笑っちゃう



宮「また来てね。今度は2人でもさ」

「絶対来ます！ご馳走様でしたー！」

阿「次は俺もお邪魔しまーす笑」



舘さんに手を振ってお店を後にした



「2人でしばらく行ってないっけ？」

阿「行って......ない、かも？」

「亮平くん忙しいもんね」

阿「お互い様じゃない？笑」



そんな会話をしているうちに


あっという間に辰哉さんの家に着いた



阿「ふっかー。起きてー」



もちろん起きない辰哉さんを亮平くんがおんぶする


細いのに筋肉はあって


軽々と辰哉さんを持ってしまうところに


またすんなり惚れ直してしまう



阿「ん？何？」

「......ううん、笑」



そんな彼が、今日も大好きだ

episode.28→←episode.26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す