日常114 噂 ページ41
「ねぇ、A!聞いてる!?」
「あ、ごめん。ボーっとしてた。」
翌日の大学。
少女は昨日の夜あまり眠れなかったらしく、ボーっとしていると絢子に怒られた。
「もう!もう一回言うわよ!」
「ごめん。よろしく。」
「あのね…」
絢子はコソコソ話をするために少女に近づき、小声で話す。
「うちの大学に<第三音響>っていうサークルがあるらしいのよ。」
「え!?」
「ちょ!声が大きい!」
<第三音響>
帝統が言っていたサークルである。
しかし、少女の通う□□□大学には舞台の音響を担当する第一音響・大学主催のラップバトルの音響を担当する第二音響のサークルは存在するが第三音響というサークルは存在しない。
「それ、何処から聞いたの?」
「バスケサークルの先輩からよ。」
絢子は男子バスケサークルのマネージャーをしており、そこの先輩から聞いたらしい。
_第三音響には気をつけろ
少女が帝統から受けた忠告と同じである。
絢子は、忠告をされたときに何故気を付ける必要があるのかは教えてもらえていなかったらしく、知りたがっている。
しかし、少女は知らんぷりを貫き通した。
「なーに話してんだよ!」
「げぇ、儀晴(よしはる)。」
少女と絢子が話していると、ある男が会話に乱入する。
男の名は加治原儀晴(かじはらよしはる)。
少女と同じ大学二年生のお調子者である。
「儀晴も聞く?」
「だーめ。ジュンちゃん。」
「え、Aケチくせぇぞ!」
「女の子の秘密です〜。あ、そういえば今日の課題やった?」
儀晴にも話そうとする絢子を止め、少女は会話の話題を慌てて変えた。
世の中には知らないほうが良いこともあるだろう。
そうこうしているうちに教授が教室に入り、講義が始まる。
絢子は少女の行動に違和感を持っていた。
_きっと少女は噂の真相を知っているに違いない。
そう思った絢子は、この講義が終わったら少女を問い詰めようと決め、講義に集中した。
「A!ちょっと、残りなさい。」
「えー。」
_やっぱりバレたか。
そう感じた少女は、教室に誰もいなくなったので諦めて話すことにした。
第三音響の人たちはもしかしたら、いけない薬を使用しているかもしれない。と。
それを聞いた絢子は驚き、何故少女が話そうとしないのかを理解した。
第三音響には関わらないでおこう。
二人はそう決めて、お昼を食べに学食へ向かおうとした。
___まさか自分たちが巻き込まれる事なんて知らずに。
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時