人間洗浄機３

日常111　休日の終わりは ページ35

「ん〜！美味しい！」

「流石一二三君ですね。」

一二三の家に着き、皆で魚をさばいたりして、昼食を食べたのは結局夕方に。
夕日がカーテンの隙間から部屋を覗き、休日の終わりをジワジワと実感させていく。
日曜の終わりは人々を時に憂鬱にさせたり、寂しさを与える。

独歩は憂鬱な気分になりかけていた。
明日からまた会社にこき使われる日々が始まるからだ。
美味しいはずの一二三の作った食事が喉を通らず、箸を置いてしまう。

＿毎日こうだったらいいのに…。
独歩はついそう思ってしまう。

「独歩ちん、どしたー？」

「あ、あぁ、休日が終わってしまうなと…。」

「あぁ。」

明日からそれぞれ多忙な日々が始まる。
それを思うと、少女も少し怠さを感じてしまった。

「独歩君、私たちには等しくやるべきことがあります。それを全うしていきましょう。ですが、休憩も大切です。疲れた時はまたこうして遊びましょう。」

「せ、先生。」

「そーだよ独歩ちん！今日が最後じゃないんだからさ！」

「ですね！独歩さんが疲れた時はまた一緒に写真撮りましょ！」

「一二三…A…」

独歩は涙目になりながら、ご飯を口にかっこむ。
その様子を他の三人は見守りながら、楽しい食事を再開した。

少女も大学の授業は時に退屈であるが、一週間また頑張ろうと思った。


「そう言えば、皆さんお酒は飲まないんですか？」

「あ、あぁ。俺っちは…仕事で飲むし…。」

「お、俺も…その。」

お酒の話題になった瞬間、一二三と独歩は挙動不審になる。

少女は自分が未成年だから三人が気を使っているのかと思ったがどうやらそう言ったわけでもなさそうな雰囲気である。

「今日は特別にリカーでも飲むかい？」

「いえ！今日は…ほらAもいますし…て、あぁ！」

「寂雷せんせぇ！」

一二三と独歩の制止も虚しく、寂雷はお酒を取り出し軽く仰いだ。
一二三と独歩は顔面蒼白でアイコンタクトをとる。

＿今すぐ少女を避難させよう。

少女はその様子から、二人がお酒を飲まないのは寂雷に原因があることを察する。
寂雷は、一口飲んだ瞬間、うつむき黙る。
少女が心配し声をかけようとすると…

「てやんでぃ！！」

酩酊気味の寂雷が顔を真っ赤にし、叫び始めた。
これには少女も驚きである。

それもそのはず、いつもの仏のような寂雷の面影はゼロだ。

少女はその後、一二三と独歩に家に帰され、今回のリフレッシュは終了したのだった。

二度と寂雷にお酒は飲まさないと誓って。

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