日常110 タコとクラゲ ページ34
「とったどー!!」
某番組の有名な言葉「とったどー!!」
少女はそれに憧れていたらしく、目をキラキラと輝かせた。
「何が釣れたんだ?」
少し遠くでバタバタしていた独歩が興味津々で少女の竿にかかった獲物を見る。
「…タコ?」
「タコだね。」「タコですね。」
「…タコって釣れるもんなんですか?」
少女は驚きである。
「タコは良く釣れるものですが…これは大きいですね。」
寂雷がまじまじと少女の釣りあげたタコを見る。
確かに、少女が釣ったタコは大きかった。
「…凄いなA。俺はクラゲばっかりだ。」
独歩はクラゲを海にリリースしながら少女に言う。
少女は逆にクラゲが釣れる独歩の方が凄いと思った。
「後で皆で食べましょう!」
少女は独歩にタコを見せながら言った。
三人は楽しそうな少女を見守りつつ、釣りを再開したのだった。
「一二三さんっていつも楽しそうですよね。」
「そうかな?」
少女は一二三と釣り場を移動し、今はジゴロ状態の一二三と二人で釣りをしていた。
そこでふと気になることがあったのだ。
女性恐怖症という生活しにくい状況でありながら、いつも明るく元気な一二三を知り、その秘訣を知りたくなったのだ。
「まぁ、自分よりも落ち込んでいる人見たらなんかどうでも良くなることってないかい?」
「あ、独歩さんですか。」
「そうそう。でもね、一番は僕は一日一日を大切にしたいんだよね。」
_今日という日は残りの人生の最初の日だからね。
そう言って一二三はにこりと笑った。
悔しいがやはりシンジュクナンバー1の称号は伊達ではない。
少女はついその笑顔に見とれてしまった。
「素敵な考え方ですね。」
「僕の座右の銘さ。」
一二三はチャラチャラしているように見えて人間としてとてもできている人である。
そのギャップもまた人気の秘訣なのだろう。
独歩も良い幼馴染を持ったものだ。
「一二三―、Aー!先生がお呼びだ。」
「あ、はーい!」
気が付けばお昼の時間になっていた。
そう認識した瞬間に空腹感が少女を襲う。
「…お腹すきましたね。」
「釣れた魚でお昼にするらしい。」
「なら、僕らの家に招待しよう。僕が作るよ。」
「お、それ良いな。先生に提案してくるから、荷物持って来いよ。」
そう言って独歩は先に寂雷の元へと走っていった。
少女と一二三は釣り用具や魚が数匹入ったバケツを持って独歩と寂雷の元へと向かうのだった。
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時