日常99 流星と船の着陸と出会い ページ22
「…し、死ぬかと思ったぞ。」
大きな音を立てて落ちた流星が割れ、一人の少女が出てきた。
犬のような獣の耳としっぽを付けた少女は砂埃を払い、星の探索を始めた。
ここはどうやら不思議な星であるらしい。
少し歩いたら砂漠の世界から一変、美しい水晶の世界が広がっていた。
「…綺麗じゃな。」
少女はそれに見とれていたかったが、星が落ちてきたとなれば騒ぎになるだろう。
それは些か厄介だ。
少女は踵を返し、流星から遠のいて砂漠の道を歩いた。
どのくらい歩いただろうか、少女は壊れた船を見つけた。
船に近づくとどうやらまだ中に人らしい気配がある。
少女はその人を救出する。
何とも綺麗な服を身につけた男である。綺麗なネイビーの髪が光に反射してキラキラ光っている。
傷が多いが、致命傷と言えるものはない。
少女は船にあった包帯で簡単に手当てを施した。
「…貴様は」
「何じゃ、目が覚めたか。だがもう少し寝ておれ。」
少女は男の瞼を撫で、寝るように促す。
男は疲れていたのだろう、それに抗う事が出来ず再び目を閉じた。
少女は男が眠りについたことを確認し、男を船の近くに置き街の方へと赴いた。
「何だこの船は。」
少女が離れてから数分後、ある一人の盗賊が着陸した船の近くに訪れていた。
そして、船の前に横たわっている男を見つける。
よく見たら良い服を着ているじゃないか。妙に洒落たナリの客人だ。
_この宝石を奪えば金になるだろうか…
そう思った盗賊は宝石に手を伸ばすが、途中でやめた。
_もう俺に金は必要ないのだ。
「おい、誰だお前は起きろ。」
盗賊は八つ当たりするように男を蹴り起こす。
男は驚いたようで飛び起きる。
「誰だ貴様!無礼だぞ!」
「何だ、起こしてやったんだ。感謝しろ。」
「何だと!?」
「で、お前は誰だ。」
「…名は捨てた。滅びた国の王だ。」
「…元王様ねぇ。」
盗賊は男が元王様であることを聞き、思考する。
そして冷めた目で
「落ちた先がここじゃツキも落ちたようだな。」
と嘲笑うように言った。
「何故だ。」
「この星は腐っているのさ。この世界は権力と金が全てだ。」
盗賊は元王様に狂ったようにこの国の事を話す。
この国では、貧乏なものは理由もなく死ぬ。金が全てだ。
権力者どもがふんぞり返る、へどのような星であると。
「首か宙に舞う前に帰りな。お前、殺されるぞ。」
「何故だ?」
「盗賊には盗賊の流儀があるのさ。」
__よそ者には容赦はしないというな。
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時