日常95 まさにアウトサイダー ページ17
「せい!」
少女の渾身の蹴りがリーダー格のあごに決まった。
左馬刻、銃兎、友一は思わずきょとんとしてしまう。
未だかつて、ラップバトルが体術で終わったことがあったであろうか。
少女の行動にはいつも驚かせられる。
「よし。満足。」
少女はというと、やりきったといった顔で立っていた。
左馬刻は少女に近づく。
「無事でよかった。」
「友ちゃんが助けてくれたんですよ。」
「ほぉ。…よくやった有馬。」
「う、うっす。」
少女の話を聞き、左馬刻は友一の頭を乱暴に撫でる。
友一は照れながらはにかんだ。
憧れの左馬刻の役に立てたことが嬉しいらしい。
銃兎は所に連絡を入れ、拉致罪と違法マイク使用罪で連行の準備を整える。
左馬刻はリーダー格の男だけ火貂組に引き渡すことを条件にそれに承認した。
最初に左馬刻の部下が到着し、リーダー格が連れていかれ、その15分後に大量のパトカーが到着し、白猫組を連行していった。
銃兎による少女への質問も終了し、今回の事件の幕が下りた。
ところ変わって、森の前。
左馬刻の事務所に友一を降ろしたあと、少女と左馬刻、銃兎の三人は、理鶯の誘いに乗るべく、森まで来た。
「おい、A。お前歩けんのかよ?」
「あー…少しふらつきますね。」
少女は違法マイクの影響が抜けきっておらず、少々足元がふらついている。
この状態で森を歩くことは危険だろう。
「っち。しょうがねぇな。」
「…?」
左馬刻は少女の前にしゃがみ込む。
少女は突然の行動の理解が出来ないでいる。
「乗れ。おぶってやる。」
「え…良いんですか?」
「さっさとしろ!」
左馬刻に促される通りに背中に乗る少女。
少女は左馬刻が男性では細いほうだと思っていたが、その背中は広く安心した。
少しキリっとした香水の香りと、煙草のほろ苦い香りが染みついたシャツから、左馬刻の香りがする。
煙草が苦手な少女は良い香りとも言えなかったが、左馬刻らしい香りだと感じた。
嗅ぎ慣れると安心する。
銃兎はそんな二人を見て、左馬刻はやはり少女に甘い、何て聞かれたら100%怒られるであろうことを思った。
微笑ましい光景であることは間違いない。
「碧棺さん、安心しますね。」
「っは。馬鹿言え、俺様はヤクザだぞ。」
「まぁまぁ、良かったじゃないか。左馬刻。」
「まぁ、悪くはねぇな。」
「碧棺さん、入間さん。」
「んだよ。」「何ですか?」
「もうすぐ着きますね。」
歩く先には煙と日の明かりが。
理鶯の元まであと…
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時