日常92 白猫組と少女 ページ14
「はっ。ちょっろ〜。」
「クソ。」
「きも。」
ここはヨコハマのとある廃墟。
少女と友一は白猫組につかまってしまい、縄で腕を拘束されてしまっている。
50人ほどの男が廃墟内におり、逃げ出すことは不可能に近い。
軽く絶体絶命である。
白猫組は少女を餌に左馬刻をぎったぎたにすることが目的らしく、少女を攫い拘束した後、何枚か少し厭らしい写真を撮る必要があった。
と、言うわけで、
「こうかしら?」
「そーうそうそう!良い感じですぜ!」
「くるしゅうない!もっと褒めろ!」
「嬢ちゃん!次、このポーズ!」
「何なんだよこれ!」
写真撮影にノリノリの少女と、撮影を楽しむ白猫組。
友一の悲痛なツッコミが廃墟に響く。
この少女の危機感と貞操観念は大丈夫なのだろうか。
友一はとても不安になる。
この少女は左馬刻の兄貴のお気に入りだ。それに、嫌いじゃない。
絶対にAを守るんだ。
その意識が緊張感のない少女を見るとどうしても薄れてしまう友一。
…それは正しい反応であるとしか言いようがない。
それほどに少女は緊張感がなかった。
「んじゃ、左馬刻に送るかぁ〜。」
「「ふぅ〜!」」
これで左馬刻も終わりっすね!
何て深いな笑いが廃墟に響く。
白猫組のやつらが浮かれ、油断している中、少女は騒ぎに乗じて友一に近づき友一の縄を切った。
「…どうやって?」
「ガラスの破片拾った。」
廃墟に落ちていたガラスの破片を拾い、少女は友一の縄を切ったのだ。
「友ちゃん、逃げな。」
「は?」
「ここには私がいれば十分でしょ。」
「何言ってんだよ。お前を守るのが今の俺の役割だ。」
「やだ、イケメン。」
友一は少女の縄を切った。
「ヤクザは仁義を通すんだよ。守るって決めたら守るんだ。」
「…ありがとう。」
よく見ると少女の肩は少し震えていて、やっぱり怖いのは変わらないことを知り、切り替える友一。
「左馬刻の兄貴が来る前に逃げんぞ!」
「おうよ!」
少女と友一は一斉に走り出し…
「おらぁ!」
「何で白猫のやつら蹴ってんの!?」
このまま出口まで逃げる予定だった友一は驚きである。
少女が白猫組のやつらに飛び蹴りをかましていた。
「いやいや、穏便に逃げるはずでは!?」
「やられたらやり返す!」
「っち。まぁ、逃げたら兄貴に笑われるからな!」
友一だってヤクザなのだ、少女さえいなければすぐにこうなっていた。
少女から始めたんだから仕方がない。
2人 VS 50人の喧嘩が今スタートした。
525人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時