日常83 ホスト ページ2
「じゃあ、僕はもう行くよ。」
「はい。また今度。」
シユウの到着後、一二三は指名が来たため席を外れた。
「えっと、絢子と…」
「あ、乾Aです。」
「お兄ちゃん、名前で呼んだけて。この子名字で呼ばれるの嫌うのよ。」
「じゃあ、Aちゃん?」
「はい!よろしくお願いします。」
少女はシユウとあいさつをすまし、ホストというものを体験する。
他のホストは甘い言葉を吐き、女性を虜にしていくが、シユウは妹とその友人にそのような対応ができず、このテーブルだけ普通の居酒屋に来た時のような雰囲気である。
「何飲む?」
「私は…カシオレ!」
「サラトガクーラーで。」
サラトガクーラーはノンアルコールカクテルだ。
ノンアルコール版のモスコミュール、ともいう。
少女はまだ未成年であるため、ノンアルコール物を注文する。
絢子はもう二十歳なので、カクテルを注文する。
「かしこまりました。」
「お兄ちゃんは何飲む?」
「あー、スパークリングワイン良いか?」
「良いよ〜。妹が奢ってやろう。」
シユウは注文を他のホストに伝える。
「Aちゃんは未成年?」
「はい。19です。」
「おい、絢子。未成年を歌舞伎町に連れてくるなよ。そもそも女の子二人じゃ危ないだろ。」
「ごめんなさーい。」
「ったく。今日は早めに帰れよ?」
「そう言われると思って迎え呼んでる!」
「げぇ!俺のこと言うなよ?」
「言わないよ〜。」
実は絢子は矢代グループの令嬢である。
このシユウという男は将来矢代グループを背負って立つはずの男なのだが、それが嫌で家出したらしい。
「そう言えば、Aちゃんはどうして一二三さんと友人に?」
「あ!それ、私も気になってた!」
「あ〜、麻天狼の知り合いからの紹介で。」
「成程。そっち経由か。」
「そうなんですよ。」
気まずさが解け、三人の会話に花が咲く。
注文したドリンクも届き、席が盛り上がって来たとき。
ガッシャン!!
「きゃー。」
大きな音と、数人の客の悲鳴が響く。
「あっちゃ〜。またあのお客さんか。」
「あの客?」
シユウはまたか…と言った表情で騒ぎの方向を見る。
少女と絢子は何があったかわからず、きょとんとしながら騒ぎを見ると…
「どうしてよっ!!一二三!」
「…これは困ったな。子猫ちゃん、聞いて。」
「嫌よ!!」
ヒステリックに叫び散らす女と一二三の姿があった。
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大阪の女 - Stellaが良すぎましたありがとうございました (2023年3月29日 9時) (レス) @page29 id: f50a0ac3bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^)芋けんぴさんの作品楽しく見させていただいてます。話の続きも是非読ませていただきたいです。 (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽 - 初めまして。こんにちは(^^) (2022年10月12日 16時) (レス) @page50 id: 7d7f47de01 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - ねむさん» ねむ様、コメント及びご指摘をありがとうございます。完全なる打ち間違えです…。そのせいで寂雷さんが凄くネガティブな人になってました…。現在、訂正させていただいています。意味までご丁寧に教えていただき勉強になりました。改めてありがとうございました。 (2021年7月19日 15時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 日常107出発のmourningは悲嘆,哀悼 、哀悼の意を表すこと、喪服,喪章という意味(コピペ)ですよ。朝はmorningです。 (2021年7月19日 9時) (レス) id: 2b048548d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2020年8月3日 20時