人間洗浄機２

少女の日常　門番 ページ12

ついに夏休みが終了し、大学の授業が始まった少女。
そんな少女に週一の楽しみができた。

「ここかぁ〜。物々しい雰囲気。」

少女はとある場所の前に来ていた。

「あのー、碧棺さんいます？」

「あぁ！？誰だてめぇ。兄貴に何の用だよ。」

「あの、そんなにメンチ切らないでいただけます？うるさいんで。」

「あ、はい。すんません。」

お分かりだろう。少女が来ていたのはヨコハマディビジョンの左馬刻の事務所。
スカルに会いに来たのだ。
もちろん、左馬刻には許可を得て来ている。

「私は乾Aです。」

「…いや、誰だってそう言う事じゃないっす。」

「貴方の名前は？」

「有馬友一っす。」

「時代遅れヤクザの友ちゃん、そこ通してよ。」

「いや！ダメに決まってるよね！？喧嘩売ってる！？」

「えー、そう言うの良いから。本当。」

少女は友一の対応にうんざりしている。
早くスカルに会って癒されたいのだ。

「あ、もしもし碧棺さん？今事務所の前にいるんですけど、門番さんが通してくれないんですよ…」

少女はしびれを切らし、ついに電話を掛けた。
友一は本当に碧棺さんの知り合いだったのか？と冷や汗が止まらない。

「おう、てめぇ俺様に出迎えさせるとは良い度胸だな。」

「あ、碧棺さん。この前ぶりですね。」

事務所の中から左馬刻が姿を現し、少女はようやく事務所内に入れた。

「碧棺さん、門番さんとの連携とれてます？」

「…悪かった。」

こんなヤクザの事務所に単身で乗り込んできた少女の度胸に呆れながらも左馬刻は少女を案内する。
その間、少女の姿を見てメンチ切ってくる左馬刻の部下を変顔で見返す少女は見えていないらしい。

「ここだ。」

「スカル〜！！」

所為所は左馬刻の部屋に入った瞬間、スカルを見つけ駆け寄った。

「久しぶりだね〜。ちゃんとお世話されてる？？ふへへ。」

だらしない顔をしてスカルに話しかける少女をスルーして、コーヒーを入れ始めた左馬刻。

「おら、お前のコーヒーな。」

「…牛乳入れてもらえませんか？」

「てめぇなめてんのか？俺様の入れたコーヒーが飲めねぇってのかよ。」

「ブラックは苦手なんですよ…」

めちゃくちゃ文句を言いながらも牛乳を足してくれる左馬刻。
根はやさしい男なのである。

「ほら、これで今度こそいいだろ。」

「ありがとうございます。…え、美味しい。」

「は。ったりめぇだろ。」

膝にスカルを乗せ二人と一匹のお茶会が始まった。

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