痛いのは最初だけ２【佐野玲於】 (ページ10)

今日:30 hit、昨日:4 hit、合計:345,022 hit

じゅうページ10

★

駅で男の人と待ち合わせして二人でご飯なんて久しぶりだから何か緊張する。

待ち合わせ時間よりちょっと早めに駅に着いちゃった。これじゃずっと待ってましたみたいな気を使わせちゃうかな？

『あっ！ねぇー俺のこと覚えてない？』

A『、、、え？』

声をかけてきたのは亜嵐くんでもなくて見たことも会った記憶もない知らない人。

年は同じくらいに見えるけど、何か雰囲気っていうか、目がすごく嫌な感じ。。。

A『あの、、人違いです。』

『いやいや、間違ってないよ。
朝電車で結構見かけるもん。目よく合うし、君のこといっつも可愛い子だなって思っててさ。名前なんて言うの？』

何この人。。

朝よく見かける？目がよく合う？って、、、そんなの覚えてないよ。

怖い

A『、、、知りません。』

『あらら、つれないなぁ(笑) 名前くらい減るもんじゃないし教えてよ。俺はユウキ。てか最近は男と一緒にいるけどあれ彼氏？』

本当に嫌だ。。気持ち悪い。無視しても話しかけてきてどうしたらいいんだろ、、

逃げても着いてきそうだし、何より足が震えて動かない。

『ねぇ、今日は１人？今からどっか行かない？』

A『ちょっ、、と、』

手首掴まれて引っ張られる。

誰か、、助けて！怖くてその一言が言えない。

亜嵐『、、、Aちゃん？』

A『亜嵐くん、、』

亜嵐『って...何してんだよ。』

駆けて来る亜嵐くんを見てすぐ手首は解放された。

『へぇ。Aちゃんて言うんだ。。じゃまたね(笑)』

亜嵐『おい、待てよ。』

追いかけようとしてくれた亜嵐くんをもう大丈夫だから、ありがとう。って引き止めた。

亜嵐『、、震えてる。大丈夫？何かされた？』

遅くなってごめんって肩を擦りながら相変わらず優しい亜嵐くん。私が早く来すぎただけなのに。

A『ううん大丈夫。亜嵐くんが来てくれてよかった。、、怖くて助けてって声が出なくて。。。』

亜嵐『何、ナンパ？あいつ目が危なすぎ。』

A『ナンパ？なのかな。こんなの初めてだからわかんない。。でも朝電車で見かけるし目がよく合うって言われて、、、』

亜嵐『ちょ、警察行こう。本当にやばいやつだよ。』

A『それはダメ！大丈夫だから。本当に大丈夫。。』

こんなことお父さんと玲於くんに知られたらどうなるか。

もう会わないだろうし大丈夫！って亜嵐くん説得して何とか落ち着いた。