痛いのは最初だけ２【佐野玲於】 (ページ32)

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さんじゅうにページ32

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怖いけど、周りを見渡してあの思い出すだけでも嫌な姿を探す。

ふわっと右手に何かが触れて、ビクって体が反応しちゃったけど、温かく包むそれが玲於くんの手だってわかった時には私の右手は強く握られてた。

玲於『震えてんじゃん。』

A『、、平気だよ。』

玲於『お前は嘘下手すぎ。全部考えてっこと読めるもん。』

玲於くんだって嘘つき。。私が考えてること何にもわかってない。手なんか繋がれて反応した心臓の音も、こんなに切ない気持ちも何もわかってない。。。でも今は繋がれた手に少しだけ甘えてもいいかな？

玲於『居た？居たら言わなくていいから手握り返して。』

A『うん、、まだ居ない。』

玲於『あ、電車来た。』

今日は現れそうにない。もう諦めたんじゃない？って玲於くんに言ったら、油断しすぎって強く手を握り直された。

電車に乗ってドアが閉まる瞬間、見つけた。。。

玲於くんの手を強く握り返す。嫌だ、、こっち見てニヤニヤしてる。

玲於『...A？居たの？、、どいつ？』

A『あの人、、、白いキャップ被っててこっち見て笑ってる。。』

玲於『あいつ、、、A、もう見なくていいから。こっち向いて。』

スマホ握る玲於くん

あの人のニヤニヤした顔がずっと残ってる。

玲於『A！』

A『あ、え？何か言った？』

電車が動き出して玲於くんの声がやっと耳に届く。

玲於『大丈夫。もう顔わかったから。 Aこっち見て。』

ドアの方に向いてた私を反対側の自分の方に向けると、頭を胸に抱き寄せてもう見んな。って言った玲於くん。玲於くんの温かさと大好きな匂いに包まれて安心する。

でもね、、ここ電車の中だよ？

ドア付近だから周りの皆には見えないかもしれないけど、
玲於くんちょっと大きい声出しただけでも怒るくせに、、、

怖い思いさせないって約束を守ってくれてる。

あの人にカバン見られて学校バレたって話しをしたら、結局わざわざ一緒の駅で降りて学校の入り口まで送ってくれたの。

さすがにもう手は繋いでないのに、同じカバン持った学生とすれ違う度にチラチラ見られてる気がする、、、

玲於くんカッコイイもんね。こんな私が隣りを歩いてたって彼氏とかに見えるわけないか。
勘違いしてくれるのは鍵屋のおじいちゃんだけ。

学校の入り口でも

終わったら連絡して。俺も電話する。連絡つくまで学校から絶対出るなよ？

って過保護？発揮。