王子なんてくそ食らえ３【佐野玲於】 (ページ17)

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じゅうななページ17

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でも玲於から脱け出せなくて、中毒みたくやめられない。

昨日髪の毛なでられて、上着かけてくれて、玲於の匂いがして、抱きしめられたこの図書室。

同じ場所なのにあんなに近かった距離が今はすごく遠い。

涼太くんだって絵理だって自分の気持ちに嘘ついたり誤魔化したりしない。簡単じゃないこと向き合ったり受け止めたりしてる。

私はずっと逃げてるだけ。。。

もう面倒くさいって言われても呆れてられてもやっぱりちゃんと好きって言いたい。

いてもたってもいられなくて図書室を飛び出した。

体育館に向かう足はちょっと震えてるけど、今行かなきゃもっと距離が遠くなっちゃう気がして。玲於に会わなくちゃって。

体育館の扉の前、綾乃がビックリした顔してる。

綾乃『A？』

A『綾乃私ね、、私、玲於にちゃんと言う自分の気持ち。』

綾乃『え？本当に？』

A『...うん。』

そしたらもう今までの関係には戻れない。

振られるのはわかってて告白するなんてどうかしてるかな。

玲於の反応とかこれからのこと、怖くないって言ったら嘘になるけど、嫌いな弱虫の自分から少しでも勇気だして抜け出したいの。

綾乃『そっか！じゃ、あのリップ塗らなきゃね。』

A『え？』

綾乃『戦闘準備。一番可愛くして目一杯気持ち伝えるの。頑張って！！』

綾乃と買いに行ったピンクのリップ。玲於に会うときつけなって。

教室に戻って鞄からリップ取り出す。

新品のリップ震える手で塗って深呼吸。

顔も引きつらないようにマッサージしたりして。

人生初めての告白は、間違いなく人生で一番ドキドキする。

、、、とりあえず、告白ってどうすればいいの？

好きって言うんだよね？どんな風に？

"玲於が好き"

『いや、好きって言われても俺好きな人居るって言ったよね。』って言われそう。。。

ダメだ。

"好きでいてもいい？"

『、、、好きでいるのは勝手だけど期待されても迷惑だから。』って言われたら？絶対泣く。。。

無理だ。

"す、、すっ、すき、、、"

『何、すきやき食いたいの？その食い意地どうにかなんないの。』って、、、

あーやばいやばいやばい！！イメトレなんてするんじゃなかった。

想像しただけで傷口深い。

さっきは勢いに任せて体育館行ったけど、今さらになってすごいドキドキしてきた。

う"～あ～

好きって伝えるのってこんなに難しいことだったっけ？、、、