大空501 ページ50
Noside
ユエとシアがハジメたちのもとへ到着したとき、ハジメは腕を組んで近くの樹にもたれたまま瞑目しているところだった。
カエデとスクアーロも同じようにもたれていたり切り株に座っていたりしていた。
3人の気配に気が付いたのか、ハジメはゆっくり目を開けると2人の姿を視界に収める。
カエデとスクアーロも気づき、2人のほうを見た。
全く正反対の雰囲気を纏わせているユエとシアに訝しそうにしつつ、ハジメは片手を上げて声をかけた。
「よっ、2人とも。勝負とやらは終わったのか？」
ハジメたちも、2人が何かを賭けて勝負していることは聞き及んでいる。
ハジメは、ユエとシアが戦っても十中八九、ユエが勝つと考えていた。
奈落の底でユエの実力は十二分に把握している。
いくら死ぬ気の炎使用禁止のハンデとシアが魔力の直接操作が出来るといっても今まで平和に浸かってきたシアとは地力が違うのだ。
だがしかし、帰ってきた2人の表情を見るに、どうも自分の予想は外れたようだと内心驚愕するハジメ。
そんなハジメたちにシアが上機嫌で話しかけた。
「ハジメさん！カエデさん！スクアーロさん！聞いて下さい！私、遂にユエさんに勝ちましたよ！大勝利ですよ！
いや〜、ハジメさんたちにもお見せしたかったですよぉ〜、私の華麗な戦いぶりを！
負けたと知った時のユエさんたらもへぶっ！？」
身振り手振り大はしゃぎという様相で戦いの顛末を語るシア。
調子に乗りすぎて、ユエのジャンピングビンタを食らい錐揉みしながら吹き飛びドシャと音を立てて地面に倒れ込んだ。
よほど強烈だったのかピクピクとして起き上がる気配がない。
「やはりな、負けたか。ユエ」
「…わかってたの？」
「感だ…」
「相変わらずの感の良さだなぁ…」
スクアーロはカエデの超直感の凄さに感心する。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
