雨露霜雪 (ページ8)

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…

大「え？」

振り返ると黒縁の眼鏡をかけた男が立ってた。

安「はい、一年の安田章大と言います。」

？「安田……あの錦戸家の」

安「はい。」

？「亮やったらさっき階段で蹲っとったで

あと、エレベーターは明日まで動かん。」

大「う、動かん……？」

安「ありがとうございます。

あの、お名前は……」

？「村上信五。よォ覚えとき」

村上と名乗ったその人は、コートを羽織ってそのまま外に出て行った。

大「かっこええ人やな……」

八重歯キラってしてた。

安「じゃあ、階段で上がろっか」

大「う、嘘やん。階段んん？？？」

ここまで必死に走ってきて、また階段で上んの？

大「嘘やん……もぉ無理やってぇ」

安「無理ちゃうって、おくらぁ！！たておくらぁ！！」

大「無理ぃ」

安「立てって！置いてくで！」

ヤス元気すぎんねん……

大「はあ、がんばろ。」

どんどん先に行くヤスに負けてられへん。俺も頑張らな。

安「あ、りょー！」

錦「あ、しょうちゃ…！」

1階、2階、まだここ3階やん……

3階に向かう階段の途中で亮さん、錦戸さん……まぁちっさいのがうずくまってるのを発見。

錦「もぉあるかれへん……」

なんて駄々こねてる。

安「えー、荷物持ったるから歩き～？後でマッサージもするから」

錦「ほ、ほんま？！」

元気よく立ち上がったところを見るとこいつかなり精神年齢低いな……

安「あ、おくらぁ、そこの荷物ついでに持って上がってくれへん？」

大「お、うん。わかった」

もうちょっと頑張ろ。

…