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八頁目 ページ9

目を覚ますと慣れない天井が目に入る。

あぁ、そうだ私荘園にきたんだ。こんな屋敷に仮にも住んでいるという実感が湧かない。

昨日きた手紙もこの屋敷に来ていろんな人に会ったのも、全部が私の都合のいい夢なのではないかとも思ったりした。しかし顔を触れば感覚はある、それに「ぐう」と音で主張するこの空腹感は紛れもなく現実のものだ。

ゆっくりと怠い体を起こせば体の節々が軋まない事に感動した。
時計を確認すれば今は6時半過ぎ。確か昨日にウィラさんは朝7時あたりに食堂で朝食を食べると言っていたはずだ。

私は急いで髪を梳かし、服装を整えて食堂へ向かった。


食堂に行くとノートンさんが席に座っていた。
昨日も早めに食堂に来ていたしノートンさんは指定時間より早めに食事をとるみたいだ。

「おはようこざいます、ノートンさん」
「あぁ、おはよ。」
軽く挨拶をして私も席に着く。

今日の朝食は牛乳に浸したポリッジ。そしてベーコンエッグにトマト、ブラックプディング、ベイクドビーンズ。
ボリュームがあって食欲が刺激される。3日後までこのレベルの食事が用意されるのだから荘園の主はかなりの物好きだ。

こんなにあると何から手をつければいいか迷ってしまう。ちらりとノートンさんの方に目をやれば彼はトーストにベーコンエッグとベイクドビーンズを乗っけて食べている。

私も真似してトーストを食べやすい大きさに千切ってベーコンエッグ、ベイクドビーンズを乗っける。
口に入れれば甘辛い味付けのビーンズとふわふわの卵、ベーコンの香ばしい匂いとしょっぱさが絶妙なバランスでマッチしている。

美味しい!と思った矢先ノートンさんに笑われる。
「君、これ真似したでしょ?」
とノートンさんはトーストを持ち上げた。

どきりと心臓が跳ねた。どうやら真似したのはバレていたみたいだ。なんだか恥ずかしくて顔を合わせられずに俯く。

「え!バ、バレましたか…、すいません…美味しそうだったので……」
「ははは!そうか、僕もこれは見様見真似で他の炭鉱労働者達のをね」
そう言ってノートンさんは笑った。ノートンさんは「そうだ」と言ってトーストを皿に置いた。

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野菜 - 感想ありがとうございます!こんな褒められると思ってなかったので嬉しい限りです。引き続き頑張りますので是非たのしみにお待ちください! (2019年6月27日 16時) (レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
saniwanotori(プロフ) - 背景推理からとても丁寧に物語を構成されていて読み応えがありました。不穏な描写の表現も天才的でドキドキしながら読ませて頂きました。こんなに面白くてとても素敵な作品に出会えて幸せです!切実に消さないで欲しいと思いつつ、続きを楽しみにしております (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9faba28f95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:野菜 | 作成日時:2019年6月22日 13時

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