三十頁目 ページ32
「あと2つなんですが、寒気と受難でどうでしょう？連携の取りやすさが格段に上がると思います。それに寒気はいち早く自身の状況に気付けるし」
「あぁ、僕もそれでいいと思う」
ノートンさんもウィラさんも頷いているし、イソップくんは既に書き込んでいる。
書き込み終われば会議は終わりのようで、皆合図もなく各自部屋に戻ろうとする。
がその前にノートンさんが話しかけてくる。
「あぁそう言えば物の持ち込みはルールに書いてなかったが何か君達は持って行くかい？僕はこの磁石を持って行くつもりだよ」
「私は香水よ。もう寝るから後の2人は明日教えて頂戴」とウィラさんは部屋に戻って行く。
イソップくんを見れば彼は鞄を顔の近くまで上げる。多分その鞄を持って行くのだろう。
じゃあ私は何を持って行こう？皆職業に応じた物を持っていくみたいだけれど。
「私は、鋤でも持って行こうかな。使い道あんまり無さそうだけど……」
鋤と言っても庭にあったものだから勝手に持って行って良いのか気になるところではあるが。
「分かった、じゃあ明日はよろしく頼むよ。おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
イソップくんとも軽い会釈をして部屋に戻った。
自分の部屋に入ってベッドに倒れ込むと安心したのか身体に途轍もないぐらいの眠気が襲ってきた。
きっと精神的疲労によるものも多いだろう。
今の所安心できた時間は自分の部屋に1人で居る時ぐらいだった。明日の事を考えるだけで不安で押し潰されそうだ。
それでもこれを乗り切って仕舞えば漸くこの生活から抜け出せるのだ。念願の安寧を得る事が出来る。そう思うだけで多少は明日に希望が見えた。
重い瞼を閉じて私はそのまま泥のように眠りについた。
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野菜 - 感想ありがとうございます！こんな褒められると思ってなかったので嬉しい限りです。引き続き頑張りますので是非たのしみにお待ちください！ (2019年6月27日 16時) (
レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
saniwanotori(プロフ) - 背景推理からとても丁寧に物語を構成されていて読み応えがありました。不穏な描写の表現も天才的でドキドキしながら読ませて頂きました。こんなに面白くてとても素敵な作品に出会えて幸せです！切実に消さないで欲しいと思いつつ、続きを楽しみにしております (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9faba28f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野菜 | 作成日時：2019年6月22日 13時
