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二十六頁目 ページ28

気分は頗る悪いままだったが朝食を食べに行かなくてはならない。
出来ることならばもう部屋から出たくなかった。行く先行く先で必ずと言っていいほど何かが起こるからだ。もちろん悪い方面に。

今更ながらこんなゲーム参加しなければ良かったと思う。しかしこんな状況でさえお腹は空くのだし、会場へ来てしまったものは仕方がないのでトボトボと食堂へ向かった。

食堂に向かうとウィラさんが朝食を食べていた。
「あら、おはよう。貴女っていつもこの時間に食べてたかしら?」
「……おはようございます。今日はちょっと起きる時間が遅かったので……」

そう返答して席につく。今日の朝食は昨日と特に変わってはいない。
という事は毎日ローテーションなのか。
少し残念に思ったがそんな贅沢な事を言える立場じゃない。

それに私達はただの実験用マウスに過ぎないのだと、先程痛いほどに思い知らされた。ただ恐怖するのみで何もできなかったし、何処までも相手の掌の上だった。これは宛ら飼料というわけだ。

私達を肥えさせて当日までに恐怖を削ぐ豪華な豪華な飼料。

そう考えただけで一気に食欲が激減してしまった。美味しそうなのに不味そうで尚更気味が悪い。
それでも腹を満たすために口にしたがどうしても美味しく感じられなかった。
飼をただ口に入れて、胃に送る事の繰り返し。

味なんて無いに等しかった。これなら家で食べるパンの方がマシだ。パサパサであったけど小麦の味はした。
食べた事にリアクションも出来ないまま静かに流れ作業を続けているとウィラさんから「あら、昨日と違ってまるで死人みたいね。」と言われたものだから、尚更の事朝食は不味くなった。

何とか胃に詰め込み終わると彼女から話しかけられる。
「そうだわ、今日の夕飯後サバイバーとしての作戦を話し合う事にしたのよ」
「え……そうなんですか」
率直に言うと嫌だ。昨日の今日だ、彼に会いたくない。

「拒否権はないわよ。当日に関わる事だから全員で集まるわ。9時にここに集まってちょうだいね」
先手を打つかのように退路を絶たれた。何に対しても私に戻るという選択肢などなかった。
これからは期待するだけ無駄だと思うようにした方が多少は幸せかもしれない。

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野菜 - 感想ありがとうございます!こんな褒められると思ってなかったので嬉しい限りです。引き続き頑張りますので是非たのしみにお待ちください! (2019年6月27日 16時) (レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
saniwanotori(プロフ) - 背景推理からとても丁寧に物語を構成されていて読み応えがありました。不穏な描写の表現も天才的でドキドキしながら読ませて頂きました。こんなに面白くてとても素敵な作品に出会えて幸せです!切実に消さないで欲しいと思いつつ、続きを楽しみにしております (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9faba28f95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:野菜 | 作成日時:2019年6月22日 13時

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