コイノウタ (ページ48)

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まつとし聞かば今帰り来むページ48

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2020年のM-1で3位になってからじわじわと仕事が増えて、いよいよ東京へ、という話が出てきた。

「M-1 3位は絶大だね」

「ほんま、有り難い」

「人気になって嬉しいけど、ちょっと寂しいな、、ちょっとだよ？ちょっとだけ」

Aは俺に迷惑かけまいと、甘えたり我儘言ったりすることが減った。言っても今みたいに笑って流すことが多い。

俺は一緒におる時間が減ってめちゃくちゃ寂しいけどな、、

「え〜ついに？」

「そう。こんな感じ」

「素敵！」

東京の部屋を決めた、とAの部屋でご飯を食べながら写真を見せる。

「将企くんの選んだ家具が入ったら、また雰囲気変わるんだろうなぁ〜ね、時間があったら行ってもいい？」

「もちろん。来てな、って言うつもりやったし」

「楽しみが出来たから頑張れるっ！」

「とりあえずAの部屋着は準備しとるから」

「えっ、そうなの？！」

「だから早よ着に来てな？会えん時は部屋着をAやと思って抱きしめて寝るから」

結構本気で言ったんやけど、Aはやだ〜と笑った。

んで、一息ついて

「そんな寂しいことしないで、会いに行くから」

「ちょっと、、かっこいいのやめてや、それ俺が言いたかったわ…」

あれから割とすぐに遊びに来てくれたAとぴったりくっついて酒を飲みながら駄弁る。

「もうAが作ったおつまみしか食べれんかもしれん」

わざわざ来る前におつまみを作ってタッパーに入れて持ってきてくれた。出来た彼女やな。

「ふふ。良かった、作ってきて。でもこんな広いお部屋、持て余さない？」

写真で見るより素敵だけど、寂しくない？って顔を覗き込んでくる。

「寂しいよ、そりゃ。でもAがいつ来てもすぐ2人で住めるやろ？この広さやったら」

「そんな事言われたら...帰れないよ？」

「いいんちゃう？そんな生活も」

なんて事はまぁすぐにはもちろん無理な訳で。

「次会う時まで、」

「、、あぁっ、奥、、っ」

「俺の形、忘れんように、な？」

腰を密着させて髪を撫でると、キュッと締まってコクコクと頷く。こんな可愛い姿を見たら...

もうAなしでは生きていけんな

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