逢はでこの世を過ぐしてよとや ページ14
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「Aさん明日は？」
「私らは東京でロケやけど、見取り図は？」
「福岡でイベントです…」
「真反対やん」
「僕もロケ着いてきますわ」
あかんよ、って笑って俺の頭を撫でるAさん。
姉さんのコンビも見取り図も最近びっくりする程忙しくさせて貰っとる。
おかげで2人の時間が全っっ然ない！！！
仕事があるのは有難いことやけど
2人の時間がないんは正直辛いし、仕事も頑張れん…
「僕もう芸人辞めます、、」
「は？！」
「だってAさんと全然会えへんもん」
「会えへんもん、って言われてもねぇ。そもそも将企が辞めただけやったら今とそんな変わらんと思わん？」
「…確かに」
Aさんの部屋、俺の定位置であるソファの右側に身体を沈める。
「辞めんでよ。一緒に仕事するの楽しいし、見取り図の漫才大好きなんやから」
「…辞めません」
隣に座って俺をぎゅっと抱きしめてくれるAさんを抱きしめ返す。
福岡でイベントを終えて帰阪
自宅でひとりビールを飲む。
「はぁ、、」
昨日は丸1日スケジュール一緒やったし、姉さん家にお泊まりして久しぶりに繋がって。
明日の昼には劇場で会えるのに。
短くても会えない時間があると辛くなる程にAさんのことが好き。
一瞬たりとも離れたない。
「見取り図のリリーと？！」
「まぁ、はい。お付き合いしてます」
たまたまつけたテレビから、自分が呼ばれた直後にAさんの声が聞こえた。
「Aさん、、」
「リリー、好きやで。
...えっ、恥ずかしい恥ずかしい！！」
顔は隠したけど、髪の隙間から見える耳が真っ赤になっとって堪らなく愛おしい。
早く会いたい。
明日劇場で会ったら、思いっきり抱きしめて
同棲の提案をしてみようか。
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作者名：裕 | 作成日時：2021年7月12日 1時
