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#97 ページ7








大「ただいまぁー」




狭い玄関で靴を脱ぎ、中にいるヤスの背中に飛びつく。




大「今日何?カツ丼?」



今日はこの前も作ってくれて、めっちゃ美味しかったカツ丼っぽい。




安「危ないから離れて。はよ手ぇ洗ってきて」





あれ?テンション低い?怒ってる?



淡々とした声に、疑問を持ちながら言われた通り洗面所に向かう。



大「俺、なんかした?」




確かに、会長と一緒に行くの一回止められたの押し切って行ったけど…



それは今後のためを思ってのことやし……



だって、断って目付けられたら困るし、


穏便に、じゃないと目立ってまうし…





大「はい、手を洗いました!」




綺麗になった手をヤスに向けてアピール。


安「うん。」




失敗。





大「怒ってる?」


安「怒ってない。」





大「……」


安「……」


大「なぁ、おかえりってちゃんと言うてや。今日言ってないで?」



安「ん、おかえり」


ぶっきらぼうに言われても帰ってきたーって感じねぇへんやん……



どうにもこうにも、やすの機嫌はなおらない。




大「なぁ、やっぱりなんか怒ってる?」


安「怒ってへんって」




怒ってへんって言いながらも、眉間にシワよってるで?





大「ヤス。」




キッチンから俺のおる机のところまで鍋とか揚げたカツとか運んでるヤスの背中に声をかける。


ビクつくヤスの背中を見つめる。



思ったより低い声が出てしまって俺が怒ってるみたい。



大「なんで顔みてくれへんの?

俺なんかした?」





安「なん…………っ」



大「え?」





安「なんもしてへんっ!」




ヤスが振り返って俺の目をじっと見る。



その目はすぐにでも涙が溢れそうなくらい潤んでいた。









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作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月7日 10時

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