#129 ページ39
…
大「ふぅ、じゃあ頑張ってくるわ。」
安「うん、近くにおられへんけど応援してるから。
頑張れ」
やすはそれだけ言い残してそそくさと俺の近くから離れる。
俺はと言うと、マイクスタンドの前でふぅと深呼吸をした後、いよいよ本番。
大「在校生の皆様、おはようございます。
只今より、後期始業式を始めます。
全員起立。」
ザッと音が鳴るくらい一気に、広い体育館の中で人が動く。
大「校歌、斉唱」
〜♪
大「次に、理事長からの挨拶があります。
全員姿勢を正して…」
理事長が壇上に上がるのを待ち、
大「…礼。」
俺も振り返って理事長に頭を下げる。
気づかれていないようだ。
安「上手くいってるみたいやな」
大「うん、やすのおかげ。ありがとう」
司会は元々、壇上下の全生徒から見える位置で話す予定だったのを、
『風邪』
を理由に放送室を借りることになった。
大「これならバレずに済みそう。」
安「うん。」
ちなみにヤスは声でバレたりせぇへんように、
関係者席に紛れ、親父と話すことで意識を放送から背けるという作戦を実行している。
安「上手く終わるとええねんけど……」
隣でヤスが不安そうに呟いた。
…
118人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月7日 10時