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錦「なぁ、体育祭。章ちゃんは何でるん?」
安「借り物競争か、ぴょんぴょん体操」
昨日発表された公式プログラムを睨みながら亮ちゃんは真剣に考える。
安「大倉は?」
大「…しんどくないやつ」
安「一緒にぴょんぴょん体操やらへん?」
大「会長がぴょんぴょん体操は1競技に認められへんって言ってたで?」
安「えー」
ぴょんぴょん体操とは、近所の幼稚園児と一緒にぴょんぴょん体操を踊る、この学校の伝統行事のひとつだ。
錦「懐かしいよな、ぴょんぴょん体操。
ぴょんぴよーんぴょぴよんって」
安「なー、一緒にやっとったよな!
そのあとのかけっこで俺転けてさ。」
錦「そーそー、俺大変やってんで?めっちゃ心配したし。」
安「でも泣かへんかったやろ?」
錦「章ちゃん強がりやからな。」
2人で仲良く喋んな。俺のわかる話してくれ。
と言いたいものの、2人の間に入る気は無い。
だって、どう足掻いても時間の差。
ヤスが亮ちゃんとおる時間、俺は家に引きこもりっきりやった訳やし。
錦「よし、決めた。俺50mやるわ」
安「えー、まじで?」
錦「うん。Aに走れって言われてるし。」
大「あら、彼女思い。」
錦「まぁな。だから大倉も出てな?50m」
大「なんで俺?!」
安「ええやん、走ってる大倉。かっこよさそう」
何その理由。理由になってへんし!
大「えぇ、俺嫌やって。走りたないもん」
錦「あかん。そうじゃないと俺50m走られへん。
ずっと章ちゃんの横キープするで?しつこく付きまとうで?
体育祭終わってもやで?」
大「あかん!それはあかーーーん!」
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作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月7日 10時