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大「いや、生徒会長思ってたより可愛い人やったけど、全然興味な」
安「可愛い?」
一瞬、ヤスの表情が歪んだ。
大「え?」
ヤスは涙目のまま両手で頭をぐっしゃぐしゃに掻き回したあと、
ハァッと大きく息を吐いて、少し何かを考えたあと、
俺の顔を見て軽く嘲笑うかのように片頬を釣りあげた。
なんとも言えぬ色気に、見惚れていると、
するり、首に腕が巻き付く。
近づいた顔が重なって、
俺のポカーンとアホみたいに空いた口に、
ヤスの舌がヌルッと侵入する。
絡めあって、求めあって、離れたら、
腕はそのままに、ヤスは俺の胸に顔を埋めた。
どうやらまた泣いてるらしい。
安「たぁ…」
大「…!うん?」
甘える時の呼び方。
安「……僕を、可愛がって?」
芯のある、しっかりとした目でヤスは俺の唇をもう一度、今度はしっとりと舐めた。
ゾワッと背中が震えて、下に感じるヤスの物を意識してしまう。
溶けそう。
口にある生ぬるく、艶のある感覚で、
お互いの吐く息の温かさに、
交わる視線に、
高まる体温に、
全てに脳がとかされていく。
安「愛してるよ」
大「俺も、愛してる」
2人抱き合った。
お互いの不安を解消させるため、
愛を確かめるために。
目の前にいる人が、己の所有物であると相手にわからせるように。
深く、深く、深く……
…
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作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月7日 10時