LIFE☆₋３

132 ページ32

〜赤〜

翔太遅いな・・・

この雨だし・・・あいつ傘持って行ったかな？？

-コンコン

黒「ねぇしょっぴーいる？？」

「え・・・？」

黒「え・・・？何？？」

「会わなかった？？蓮探し行くって出ていって帰ってきてないけど」

蓮は30分くらい前には帰ってきてたらしく、道案内したおばあちゃんにお礼したいからと一般病棟に行っていたらしい。

ってことは・・・

「翔太は・・・？」

黄「帰ってくるんじゃね？？」

桃「大人だし！！！」

そういうことじゃない・・・あいつ・・・

「ちょっと行ってくる」

紫「宮舘？？？」

翔太と俺しか知らない秘密がある・・・

俺とあいつは元々幼稚園からの幼馴染だった。

小さいころのあいつは・・・

いつも教室の隅っこで1人でいるようなやつでさ・・・

「翔太くん、一緒に向こうでみんなと遊ぼう？？」

そう声をかけた時、嬉しそうに微笑んだんだ・・・だけど・・・

「ダメ・・・僕はみんなと違うから・・・走ったらここがね痛くなっちゃうの」

そう言って翔太はじぶんの心臓を指さした・・・

「じゃあ僕もここにいる！！1人はさみしいでしょう？」

あの日から俺は翔太と一緒に居るって決めたんだ。

そして中学1年の時、翔太に移植の順番が回ってきて手術を受けた。

それからは発作は起こらなくなったけど・・・こういう雨の日とかは気圧の関係もあって
激しい動悸に襲われるときがあるって・・・

それに今でも免疫抑制剤の服用は続いてる。

この先も一生薬と付き合っていかなければならない・・・

「翔太！！！！」

病院から少し離れた人目の付きにくい場所に翔太は倒れていた・・・

「しっかりしろ！！！翔太！！！！」

意識がない・・・

133→←131

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す