〈ツイステ〉 ねじれた世界の御伽噺 第二十幕

第六章24＿ヴィルの謝罪 ページ25

しかし…NRCトライブの皆が揃っているのに、グリムはいないんだよなぁ。ヤンヤンと喚く黒い毛玉の姿がかなり恋しい。



ジャミル「さて、総合文化祭も無事に終わり、俺達NRCトライブも解散した訳だが……」
ルーク「ノン。ヴィルは“解散”ではなく“凍結”という選択をしたのさ」
ジャミル「表現は別になんでも構いません。それにしても……」
カリム「突然『元NRCトライブは放課後オンボロ寮に全員集合！』だなんて。何かあったのか？ヴィル」


ここに訪れた理由は、ヴィル先輩の指示によるものらしい。
合宿をしたからか、ここを集合場所に選んだんだろうけども……せめて、私には知らせてほしい。一応監督生なので。



ヴィル「みんな、集まってくれてありがとう。グリムがいないけど……今は仕方ないわね」
『「「…………」」』



あれからやはりというか、グリムに関する連絡は一向にない。
グリムがいない間、エース君やデュース君は、態々外泊届を持って、オンボロ寮に数日泊まり込んでくれた。ステラも、突然の来訪に嫌な顔をすることはなく、寧ろ私を気遣ってここ数日は私の好物ばかりを作ってくれている。

いつまでも、私がこんなんじゃだめだ。
これじゃあ…グリムとあった時に、彼に怒られてしまう。


すると、全員に目を配ったヴィル先輩は「今日は皆に大切な話があるの」と宣言する。
ヴィル先輩のいう“大切な話”という部分に、皆が首をかしげていた。

だけど、私はその“大切な話”が何なのか、察している。



ヴィル「…………まずは、『ボーカル＆ダンスチャンピオンシップ』当日の件。
皆の信頼を裏切る行為をしてしまったことを、謝罪させて」

「「「え……」」」

ヴィル「負けを悟って、ライバルに呪いをかけようとするだなんて……世界で一番醜い行為だったと反省してる。本当に、ごめんなさい」



そう言い、ヴィル先輩は深く頭を下げた。
予想外の事態に、全員が困惑し、目をパチパチしている。


エペル「あ、あのヴィルサンが深々と頭を下げるなんて……」
ジャミル「でも呪いに関しては未遂に終わった話でしょう？」
カリム「そうだよ。お前はネージュを傷つけてなんかない」


ヴィル「……それは、止めてくれたルークや、カリム……アンタ達がみんながいてくれたからよ。でもそんなアンタたちを……オーバーブロットしたアタシは、傷つけた」

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