F121 #2 ページ35
目の前に車が突っ込んできて、隣にいた職員さんを飛ばした。
ギリギリ当たらない距離にいたけれど、それが余計にあの時のことを思い出させた。
職員さんは少し離れたところに、いた。
どこからかわからないけれど、周りは血溜まりになっていて、目は開いているのに全然動かない。
僕に気づいている感じもしない。
「ねぇ!!ねぇってば!」
動かない。
目だけが段々と閉じていく。
「宏ちゃん!」
この人の本名、知らないや。
宏ちゃんとしか聞いたことがなくて、必死に叫んだけれど、目は完全に閉じられてしまった。
そこでやっと周りが見えた。
どこかに電話をする人、こちらへ駆け寄ってくる人、倒れた車を起こそうとする人。
見たこと、ある。
そう思った瞬間に気持ち悪さが全身に広がった。
いやだ、思い出したくない。
「やだっ………しんじゃ…」
「僕?大丈夫?」
「死んじゃう!死んじゃうよっ……!ねぇっ、助けてっ!!!」
「落ち着いて?大丈夫大丈夫。今救急車呼んでるからね。」
「しんじゃうっ………おとうさんとっ、おかあさんみたい……しんじゃ…やだっ……」
「病院連れて行ってもらうから、大丈夫。」
「助けて……っ…」
「ちょっと…!?僕!?」
焦るお兄さんの顔を最後に、目の前が真っ暗になった。
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青空と虹(プロフ) - わざわざ言っていただいたのにすみません……これからもよろしくお願いします! (2021年2月2日 2時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 青空と虹さん» いえいえ!了解しました、これからも応援しています! (2021年2月1日 21時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - ぷく顔信者さん» はじめまして!コメントありがとうございます。今のところ自分の作品はイニシャルを入れずに伝えたいな、と思っており、入れずに進める方針です。読みづらくなってしまい申し訳ないのですが、誰が話しているのか考察して欲しいな、という作者の我儘です。ごめんなさい! (2021年2月1日 20時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 初めまして!まだ数話しか更新されていませんが、楽しく読ませてもらっています(´˘`*) 差し出がましいのですが、鍵かっこの初めに誰が話しているかわかるようにイニシャルなど入れていただくことは可能でしょうか…? (2021年2月1日 19時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空と虹 | 作成日時:2021年2月1日 0時