F93 #4 ページ4
「ねぇ、宏ちゃんっ……宏ちゃんってば!」
次の日のキッチン。
今日のメニューは唐揚げ。
マヨネーズを使えばずっと肉汁たっぷりになることを学んだから、今日も隠し味はマヨネーズ。
なのに。
「ひかるっ……どうした…?」
「慧くんが変なのっ…!!」
お盆を回収に行った光が慌てて戻ってきた。
二人の部屋へ駆け込めば、机の上、手付かずの夕飯が目に入った。
「慧くんっ、起きない………」
「嘘っ…ちょっと……!」
二段ベッドの梯子を駆け上る。
ギシギシと音を立てて上った先、慧くんはいつも通り寝ていた。
「慧くん、起きて!」
揺すっても大声を出しても目を覚さない慧くんに焦りを感じる。
小さく出ている額に触ってみれば、伝わってくる高熱。顔色も悪い。
光が隣で揺さぶり続ければ、うっすらと開いた瞳。
意識を取り戻してくれたことに心底安心した。
「慧くん、分かる?ちょっとジュース飲もうか。」
スポーツドリンクを薄めてマグカップに入れてストローをさす。
高熱の影響だろうか、手が震えてマグカップすらまともに持てていない慧くんの手を支えるように握った。
まだぼーっとした様子の慧くんは少しずつ飲み物を飲んだ。
マグカップの中身がほとんどなくなった頃、やっと慧くんの意識がはっきりとした。
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青空と虹(プロフ) - わざわざ言っていただいたのにすみません……これからもよろしくお願いします! (2021年2月2日 2時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 青空と虹さん» いえいえ!了解しました、これからも応援しています! (2021年2月1日 21時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - ぷく顔信者さん» はじめまして!コメントありがとうございます。今のところ自分の作品はイニシャルを入れずに伝えたいな、と思っており、入れずに進める方針です。読みづらくなってしまい申し訳ないのですが、誰が話しているのか考察して欲しいな、という作者の我儘です。ごめんなさい! (2021年2月1日 20時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 初めまして!まだ数話しか更新されていませんが、楽しく読ませてもらっています(´˘`*) 差し出がましいのですが、鍵かっこの初めに誰が話しているかわかるようにイニシャルなど入れていただくことは可能でしょうか…? (2021年2月1日 19時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空と虹 | 作成日時:2021年2月1日 0時