イルミナント

J93 #1 ページ29

「慧くん、一緒に買い物行かない？」



そう、声をかけたのは2人で眠った次の日のこと。



「昨日は光と雄也が2人で行ってたしさ、俺らも行こうよ。」

「買い物って、何買いに…？」

「うーん、まぁウィンドウショッピングでもいいんじゃない？何か欲しいものがあれば買えばいいよ。」

「……わかった。」



夜に泣いたせいで目の周りが少し腫れている。
保冷剤をハンカチに包んで渡してあげれば、自覚があったのかすぐに目に当てた。



「今日、行かない…？」


慧くんが小さな声で言った。
保冷剤を当てていない方の目で下から俺を見つめてくる。

今日は日曜日だし、予定もないから慧くんの目さえ治れば行けるはず。



「いいよ。今日行こうか。」

「あの、小さい…」

「大ちゃん？」

「も、一緒……？」

「一緒が良ければ一緒に連れていくし、2人が良ければ2人で行くよ。」



まだそこまで俺に慣れていないだろうし、2人きりじゃ怖いかもしれない。



「2人がいいっ…」



また小さく、不安そうに言う慧くん。
じゃあ2人だけで行こうかって言えば、はにかんだ。


大ちゃんのこと、2人に頼んでおかないと。

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