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F92 #5 ページ11

「なんで……?」



咄嗟に口から出たのはありがとうでもごめんでもなくて、ただただ疑問の言葉だった。

自分の下駄箱に上履きをつっこんで、靴を地面に軽く投げ置いた慧くん。
そのまましゃがんで、ベリベリとマジックテープをはがす。




「なんで、助けてくれたの………?」



足をスニーカーに入れてまたマジックテープを止めた慧くんがすくっと立った。

そのまま呆然と立ち尽くす俺を見つめる。
あまりにも目を合わせてくるからそらしたくなってしまった。



「この間の。」


「え?」


「この間、助けてくれたお礼。」




そう言って昇降口から出て行こうとする慧くん。



「あっ、ちょっと待ってよ!」



慌てて靴を引っ掴んで履き替える。
慧くんの揺れる黒いランドセルを追いかけた。

5年にしては随分と汚れている気がする。



「ありがとう。助けてくれて。」




返事はなかったけれど、どういたしましてと返してくれた気がした。



その日、俺らは初めて一緒に学校から帰った。




F92 Fin.

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青空と虹(プロフ) - わざわざ言っていただいたのにすみません……これからもよろしくお願いします! (2021年2月2日 2時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 青空と虹さん» いえいえ!了解しました、これからも応援しています! (2021年2月1日 21時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - ぷく顔信者さん» はじめまして!コメントありがとうございます。今のところ自分の作品はイニシャルを入れずに伝えたいな、と思っており、入れずに進める方針です。読みづらくなってしまい申し訳ないのですが、誰が話しているのか考察して欲しいな、という作者の我儘です。ごめんなさい! (2021年2月1日 20時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷく顔信者(プロフ) - 初めまして!まだ数話しか更新されていませんが、楽しく読ませてもらっています(´˘`*) 差し出がましいのですが、鍵かっこの初めに誰が話しているかわかるようにイニシャルなど入れていただくことは可能でしょうか…? (2021年2月1日 19時) (レス) id: 802ab26e17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空と虹 | 作成日時:2021年2月1日 0時

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