僕だけの女の子【Side青】 ページ6
僕はようやく、彼女から身体を離さぬまま顔をあげる。
下から見上げられた格好になった彼女は、恥ずかしそうに目をそらす。
「…かなこさんに、嫉妬、した…？」
「……うん」
「僕が、かなこさん抱くの、やだ…？」
「……うん」
「じゃあ、もう、会うのやめる」
「……え…？」
「ミニAちゃんがいやなら、ふたりでは、もう会わん」
「……」
「そんかわり」
僕は彼女の肩から首を掴み、引き寄せる。
「ーーー僕んこと、慰めてくれる？」
そう言って、彼女にキスをした。
……店は、ほとんど真っ暗やった。
いっこだけつけられた間接照明が、いつかみたいにオレンジ色に、彼女のことを横から照らしていた。
いつもは薄く流れている音楽も、無音やし。
雨音も当然、ここには届かなかった。
僕たちの唇が重なる水音が、店内に響く。
「ん…、、」
吐息に交じる彼女の声が、僕を刺激していく。
僕は椅子に座ったまんまやったから、彼女はかがみつづけてたんやけど。
キスをしたまま、恥じらう彼女を無理矢理、僕の上にまたがるように座らせる。
彼女の着ている制服は、上が糊の利いたシャツで、下は黒いタイトスカートで。
この清潔なシャツは、あのクリーニング屋さんの手によるものなんやろか、なんて、どうでもいいことを思う。
スカートは必然的に、かなりまくれ上がっていて。
太ももが、覗く。
「なあ、僕んこと、そんなに好き…？」
キスをしたり、顔を離して覗き込んだりしながら、僕は何度でも聞きたがる。
「うん…好き」
されるがままの彼女は、僕の目を見つめてそのたび律儀に答える。
わりと、博愛主義者のつもり、やったんやけどな…。
たくさん好きな人がいて、誰かの一番やなくても、いろんな人とちょっとずつ仲良くするのが、僕には合うとるて、思っとったんやけどな…。
僕はいま、僕しか見えていないこの子が、可愛くて仕方がない。
……僕だけの、女の子。
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たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、本当に、コメントいただけるととてもうれしいんです…一人で不安になりながら書いているので。。。なので是非これからも、お気軽に、「お腹減った」とかでもいいので笑。よろしくお願いします！ (2018年2月4日 23時) (
レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
あくあ - 嬉しいお言葉!!お話を読んだ後の心に響き残る感動をどうしてもお伝えしたくなって、コメントしてます。いつもお返事を頂けるのでコメントしすぎでご迷惑かな？とも思っていました(((^^;)これからも応援させてくださいね☆ (2018年2月4日 10時) (レス) id: 4e4eb3dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - ペンギンさん» ペンギン様、いつも本当にありがとうございます！ その後のふたり…というか四人、番外編に書きましたので、ちょっと覗いてもらえるとうれしいです。迷ってばかりですが、今後ともどうぞよろしくお願いします…！ (2018年2月4日 2時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - あくあさん» あくあ様、本当にいつも…頭があがりません、どうもありがとうございます。あくあさんからのコメントがなかったら心折れてたかもしれません笑。今後とも何卒よろしくお願いいます！ (2018年2月4日 2時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - もチちゃん . 。さん» もチちゃんさま、コメント本当にありがとうございます！ 前作からのつながりが多かったので、初めてお読みいただいて、大丈夫だったでしょうか…今後とも仲良くしてくださるとうれしいです。よろしくお願いします！ (2018年2月4日 2時) (レス) id: 30c6e5130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご
| 作成日時：2018年1月27日 14時
