さよならのシーン【緑】17 ページ9
ーー…
…俺だけの女の子
しんどいことばっかやねん、ほんまは、毎日
もう全部嫌んなって放り出したいと思うことや誰も信用できひんて泣き叫びたくなることやって山ほどあって
やけどそんなん、この立場やなくたって誰んだってある筈やろって
言い聞かせて、かっこ悪い自分見せられる場所がある筈もなくて、せやけど何があってもすべてを預けて俺を受け入れてくれる彼女がおったからーー…
…なんて
モラハラ男の言い訳みたいな思考回路
「…あのね」
「ん…?」
「…地上波の連ドラ、書かせてもらえそうかも、深夜枠だけどね、しかも他の人の代打だけど」
寝起きに見せかけて、ぶすっとむくれたまんま朝食食う俺に
前に座る彼女がキラキラした目で伝えてくる
「…へえ」
「だからしばらくちょっとバタバタするかも、ごめんね」
「…がんばって」
…あからさまに不機嫌な俺に怯えたように彼女が
小さく、“…ありがと”と言った。
426人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Aki(プロフ) - 初めまして。たまごさんの作品には芯と真があって、心を抉られながらもその毒性ある棘を触ってしまいます。素敵な物語、されど味わったことのある表現できなかった過去の感情が溢れてきて、気持ちの整理が少々追いつきませんが、素敵な作品をありがとうございます。 (2019年10月24日 1時) (レス) id: 25a44a4956 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 『さよならのシーン』 うまく言えないけれど、切なさで胸がドキドキして泣きそうでした…素敵なお話ありがとうございました♪ (2019年10月23日 3時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - つい一気読みしてしまいました。切なくて胸がいっぱいになりました。たまごさんの作品はいつも心にスッっと響くものばかりで感動しています。次の作品も楽しみにしています。 (2019年10月23日 1時) (レス) id: cfcb601f80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たまご | 作成日時:2019年10月22日 23時