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さよならのシーン【緑】21 ページ13

ーー…



…自分のかっこ悪いとこ一番知っとるのは、いつだって自分やった筈やのに…


ほんまは、応援しとるふりして彼女の関心のすべてが俺に注がれてへんことに苛立って

俺は他にも自分の世界持っとるのに彼女には俺んことだけ見ててほしくてーー…



必死に隠してたもんが、全部、溢れたーー…




「ーー…」



彼女は泣いていた


そういえば、彼女が泣いとるとこを久しぶりに見たなと思った




「…A、ごめん」


「ーー…」



俺は、


彼女を抱きしめる


熱をはらみ震える彼女の身体を




「…A、ごめんな」


「ーー…」



腕ん中で彼女は何度も首を振っていた


俺たちは、きっと二人して正解を必死に探していた

あるのかもわからない正解を




「、…きだよ」



「ん…?」



彼女は、掠れた声で必死につぶやく

しがみつくように俺ん首に両腕を回して必死に伝える



「好きだよ…」


「ん…、俺も好きや」




…それしか、今できることが見つからなかったから


キスをして、舌に触れ


束の間の安心を求めるようにーー…




「ん…、」



「…好きや」



…俺たちは何度もキスをした


何度も好きやと言い合い深く沈み込むソファん上で必死に互いの身体にしがみつきながらーー…





…ほんまに、好きやった


正解なんてわからへんかったけどただひとつ言えるのは




俺たちはほんまに、嘘やなく互いのことが好きやった





ーー…きっとそれは今も。

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Aki(プロフ) - 初めまして。たまごさんの作品には芯と真があって、心を抉られながらもその毒性ある棘を触ってしまいます。素敵な物語、されど味わったことのある表現できなかった過去の感情が溢れてきて、気持ちの整理が少々追いつきませんが、素敵な作品をありがとうございます。 (2019年10月24日 1時) (レス) id: 25a44a4956 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 『さよならのシーン』 うまく言えないけれど、切なさで胸がドキドキして泣きそうでした…素敵なお話ありがとうございました♪ (2019年10月23日 3時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - つい一気読みしてしまいました。切なくて胸がいっぱいになりました。たまごさんの作品はいつも心にスッっと響くものばかりで感動しています。次の作品も楽しみにしています。 (2019年10月23日 1時) (レス) id: cfcb601f80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまご | 作成日時:2019年10月22日 23時

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