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ホッとしたように眉を下げた隆平くんは、
「Aちゃんも…、ステキです、、」
「スカート姿、初めて見ました…、、」
って、ちょっと頬を赤らめながら耳の後ろをポリポリと掻くから、
『…ありがとう、です、、、///』
同じようにファッション雑誌を買って研究したこの数日の自分に、心の中でグッジョブ!と叫んだ。
『うわーっ、ドーム!!』
「なかなかええエッグ具合でっしゃろ?」
『わわっ!凄い人っ!!!』
「ホンマよね、びっくりしますよねぇ?」
駅を降りてドームへ向かう道のり。
遥か前方に見える白く丸い大きな建物に人々が飲み込まれていく。
『迷子になったらどうしよ、、、』
一瞬気後れしてしまった私に、隆平くんは無言のまま大きなリュックの肩ベルトからピロピロ伸びる紐を差し出した。
『…?』
促されるままにその紐を掴んだ私に ウンウンと優しく頷いて。
「さぁ!行く先は天国か はたまた地の底か!何万の敵陣へ、いざ出陣!!」
『っ…、竹千代ーーーーっ!!!』
また竹千代の名台詞を叫ぶから、私も凛姫になりきって果敢に攻めいる事ができた。
ドームの中は、正に夢のような空間で。
『凄いっ!まさかこの目がナマの眞崎様を捕らえる日がくるなんてーっ!!』
「なぁっ、凄いですなあっ!ボクもさっきからドキがムネムネですーっ!!」
大人気声優さんの生ライブやトークショーに大興奮して、
『うわっ!隆平くんっ!凛姫のクリアファイル!』
『きゃーっ!カケルくんのトレーディングカードにフィギュアまである!!!』
『あーっ!!ドキメンの限定アクスタ!!』
ここぞとばかりに下ろしてきた貯金の入ったお財布の紐が緩みまくって、爆買いしてしまった。
「ほい、貸して?」
ひとしきり買い物を終えた私の前で隆平くんがリュックを開き手を差し出す。
『え?』
「ボクが背負って歩くからええよ。」
『っそんな大丈夫っ!重いしっ!』
慌てる私を見て、
「それぐらいさせてよ、こう見えてもボク男なんやから。」
「そんぐらい何でもないてぇ。」
って エクボを浮かべながら、丁寧に荷物をリュックに詰めて 軽々と背負って。
ものすごい人と熱量の渦巻くドームの中を、
相変わらず私に肩ベルトの紐を持たせて 一歩前を歩いて、
竹千代のように"楯"になり続けてくれた。
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がくたん(プロフ) - むあさん» こんにちは!とんでもない鈍レスで大変申し訳ありません(深謝) 未曾有の事態により肉体的にも精神的にも時間的にも余裕なく、お話を書ける状態にありませんでした。時間はかかりますが、いつか必ず再開したいと思ってますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです。 (2020年7月4日 11時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
むあ(プロフ) - こんにちは。いつも楽しく拝読しております。まるちゃん!言いそう〜言いそう〜と、ニヤニヤ、キュンキュンしてます(笑) (2020年3月13日 17時) (レス) id: 9ee18250ed (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - sangozygoさん» さんごさーーん!まさかのオレンジやろ!?こないだの堕ちまくった大倉くんが浮かんで、つい緑に変えてしまおうかと思ったのはここだけの話(笑) これから映画のプロモで露出が増えるから、さんごさんの脳内(ストーリー製造機)もフル回転よね!←期待とおねだり(笑) (2020年2月14日 6時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - がくたんさぁぁーーーん!!不意打ちオレンジ!!そしてヲタク!!楽しみだなあ。楽しみ過ぎるなあ!! (2020年2月13日 22時) (レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - むあさん» 早速奥さまからコメントをいただけるなんて、幸せの極みであります!ほっこりキュンキュンできるお話になるよう頑張りますので、どうぞ宜しくお願い致します! (。-人-。) (2020年2月13日 17時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がくたん | 作成日時:2020年2月13日 17時