陽だまりのうた

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『私こそ嬉しい。ありがとう』






ふたりでエヘヘって 笑いあった。
赤い顔のまんま ポリポリと耳の後ろを掻いた隆平くんは、






「あの、たまにでええねんけど、」



「こーやって一緒にマンガ…、読みません、か？」



『一緒に？』



「そぉ。声優ゴッコ。」
『っしたいっ！』




『…ぁっ//』






また前のめりになりすぎちゃったなって思った私を見て、






「Aちゃんに読んで貰いたい台詞、ピックアップしときますね。」



「そん時はまた、ここで。」







隆平くんはソファーを指さして、優しく笑った。







・






「…みさん、」


「…ずかみさん、」


『……』


「みずかみさんっ、」


『えっ！？あっ、はいっ！！』




「最近の水上さんのレシピ、評判良いですよ。」


「年間アワードの配信企画してますんで、頑張ってください。」




『あ、ああありがとうございますっ』




「室長ー、」
「おぉ、今いく。」



「じゃ。」ﾎﾟﾝ




「水上さんっ、今何話してたのっ！？」

『え、いや、何って別に…、、』

「いいなぁーっ！その肩触らせてーっ」
「私もーっ」







「ほぇーっ、そんな人がおるのっ。」
ｺﾎﾟｺﾎﾟ…



『うん、もうね、絵に描いたような勝ち組。別世界の人。』
ﾋﾟｯ



『お陰でシャツの肩は皺になるし、今日は編み込みしてたのにボロボロになっちゃったからほどいちゃった。』



「んふふ、でもこれはこれでお似合いですよっ。僕なんて髪の毛ゴワッゴワやから、羨ましい♪」ｻﾗｯ



「ささっ、行きましょうぞ♪Aちゃんは飲み物お願いしまーす♪」





今日は"アフレコ会"の約束してたから何か気合いが入っちゃってセットしてたんだけどな。
実は縮毛矯正してるし、ほどいた髪の毛にクセがついてブルーになってたんだけど。


長い指が私の髪の毛を掬いとったその一瞬で そんな事どーでもよくなっちゃったし、


勝ち組イケメン室長に触れられたよりも全然、時々触れあう肩の方に意識が持ってかれるんだ。




『…、、、』





私、わかっちゃったかも。



これって






『"どうする？くじで決める？"』

「"いや。カザネは俺の隣で。"」



『、、』



「"嫌…か？"」



『…、』



「どうしたん？」
『ううんっ、』



『"私も… カケルの隣がいい"』



「……、、」
『？』



「あはっ、なんか照れますねぇ//」



「めっちゃ可愛えぇ…」ﾎﾞｿｯ
『…///』








これってもしかして



って。

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