ラブレター ページ41
ステージからのライトがそんな渋やんの横顔だけでなく、髑髏も照らす。
益々大きくなる歓声。
あと残るは、おれら二人。
おれは、すぅ と、息を吸い込んで。
そっとトラガスを撫でてから、口を開いた。
「渋やん。」
渋「、なんや?」
「おれ…、、Aさんに惚れてた。」
「分かってた、思うけど…、自分のクチで言いたかった。」
渋「……」
「でもな。ホンマ言うと、その前に渋やんに惚れてたん。」
渋「…、」
「渋やんの言うた、"音楽に奪われるもの"がこないに辛い事やったなんて分からんかったけど…。」
「でも、それもひっくるめて。目の前の景色と、今の感情も…、全部"音楽が与えてくれたモン"だと思っとる。」
渋「…。」
「Aさんに、届けよう。」
ギュッ
おれは、渋やんの左胸にある手を取って指を絡めた。
渋やんはフン、と笑って、その手でおれの左胸をドン!と 叩いた。
そのまま、二人で手をあげながらステージに向かう。
スポットライトと歓声が、おれらを包んだ。
もう、迷わなくていい。
もう、怯えなくていい。
もう、諦めなくていい。
センターにある、赤いコードのマイクがついたスタンド。
その場所は、おれが守る。
そこから発せられる魂の叫びは、おれが届ける。
渋やんはマイクスタンドに左手を置き、くしゃっと目尻に皺を寄せて、
渋「一生やめられへん。最高の景色や。」
と言った。
俺たちの繋いだ手が離れる直前、
おれは、髑髏にキスをした。
・
・
丸「最高やったな!最高やった!」
大「何で2回言うた!?笑」
錦「いやでもあれはビビったわー、章ちゃん、なんでMC中に突然弾きだしたん?あんなん俺らでやった事ない曲やし!二人で出てくる前打ち合わせしてたん?」
渋「ふはっ、そーやないよ。」
「ごめんなあ。どーしてもやりたくなってん。」
村「亮、どーしたらええの!?って目で訴えてたもんなぁ。笑」
錦「村上くんがえーよってジェスチャーしてくれて助かったわ。スタッフさんも焦ってたし。デビューライブで無許可で人の曲やるなんて前代未聞やで?」
横「まぁ、俺ららしくてええよ。笑」
丸「でもええ曲やったよなぁ。さすがすばる!章ちゃんのコーラスもめっちゃ良くて、聴いてて泣けてきたもん。」
大「アレ、すばるくんよく吹いてる曲よなぁ?なんやったっけ?」
「ん? "ラブレター"。」
A few years after→←have a nice trip
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がくたん(プロフ) - 幸さん» そんなリアルエピソードも含め、やっぱり私にとっては特別な作品です。こんな妄想の言ってしまえば都合のいい拙い話なのに、読んで下さった方の背中に手を添えられているならこんなに嬉しい事はないです。こちらこそ本当に嬉しかったです、ありがとうございました! (2020年1月17日 6時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 幸さん» でも書き終えた直後に現実のヤスくんがアップした自撮り写真。そこに数年ぶりにトラガスが光っていて。何とも言えない運命みたいなものを勝手に感じて心がぎゅーっとなりました。そここらの彼の変革は皆さんご存知の通りですね(笑) (2020年1月17日 6時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 幸さん» 幸さん!こちらにも来てくださったんですね!ありがとうございます!何だかこそばゆくなるぐらいの熱い感想をいただいて恐縮しております。この作品は本当に自分の気持ちの整理の為にかなり攻めて書いた作品で、書いてる最中の心の葛藤もとても大きい作品でした。 (2020年1月17日 6時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
幸 - がくたんさんの文才は、本当に素晴らしいものだと思います。あなたの作品に、何度も心が救われました。私の、宝物として。ずっと胸に刻んで、覚えておきます。私もがくたんさんのように、誰かの一生の思い出になるような、そんな何かを残せる人になります。ありがとう。 (2020年1月17日 0時) (レス) id: 295a9fdbac (このIDを非表示/違反報告)
幸 - もう、なんか…すごいです。こんなに感銘を受けた小説、初めてです。上辺だけの物語じゃなくて、そこにある人間らしさ、葛藤、全てにきちんと意味がある話で。奥が深く、一度では脳内で処理できず、4回読んでしまいました。生命力が深く感じられた作品でした。 (2020年1月17日 0時) (レス) id: 295a9fdbac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がくたん | 作成日時:2018年7月19日 8時