一筋の光 ページ32
カメラマン「はいじゃーカメラを睨むように目線いいかなー」
パシャ パシャッ
カメラマン「オッケー!!」
アシスタント「じゃ次それぞれ楽器持ってソロショットいきまーす、安田さんからお願いしまーす」
「はいっ、お願いしますっ」
カメラマン「安田くん、その爪ちょっとなぁ、、」
「え?」
カ「落とすか塗り直すかしてくれない?」
「あのっ、」
大「いやコレ、コイツのファッションなんすよ。」
大「なぁ?」
「いやあの、」
カ「ファッション!?斬新だねぇ。」
大「あのホラ、フランクネイルとか何とか言うヤツっすよ。」
メイク「それフレンチネイルの事ですか?笑」
大「っあぁっ!腹減ってるからフランクフルトと混じってもーた!笑」
カ「大倉くん、見た目によらず良く食べるもんねぇ。笑」
大「そーなんすよ、ヤスなんてさっさと終わりにして、俺撮ってもらえますー?腹減って笑顔作られへんくなりますわー。」
カ「それ困るな 笑!じゃあ安田くん、さっさと撮ろうか?」
「はいっ、お願いしますぅっ、」
「サンキュっ、」コソッ
大「なーんも♪」ポンッ
パシャ パシャ パシャ
カ「はい安田くんオッケーぃ!!いいねー、役者だねぇー!」
「ありがとうございました!」
カ「いやいや、世界に入れて凄いよ。頑張ってビッグになって、その爪流行らせて?笑」
「はい、頑張ります!」
彩りが爪先まで押し上げられてきた頃、
デビューが決まった。
おれら三人 缶詰め状態で自分を追い込んで作った楽曲と、アマチュア時代から人気のあった曲でアルバムを制作し、
それを引っ提げての1日限定のデビュー記念ライブ。
初めてのジャケット撮り、本格的なリハ。
カメラマンさん、メイクさん、音響さん、照明さん、PAさん。
ホンマモンのプロの方々とのお仕事に、やっと漕ぎ着けることができた。
ゲーノージンになったものの、真っ暗なトンネルの中をさ迷うような日々。
でも、あの頃の迷子やったおれとは違う。
奇跡のような出会いと培ってきた絆。
それをココロの灯として、はぐれんように身体を寄せ合いながら、手探りでもひたすら前を向いて進んできた。
そんな中、やっと見えた蜘蛛の糸のような一筋の光。
この光が再び見えなくなるのか、光の帯に変えていけるのかは自分達次第。
自分を信じて。
"決して負けない強い力"を信じて。
それを更に磨きながら、道なき道を。
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がくたん(プロフ) - 幸さん» そんなリアルエピソードも含め、やっぱり私にとっては特別な作品です。こんな妄想の言ってしまえば都合のいい拙い話なのに、読んで下さった方の背中に手を添えられているならこんなに嬉しい事はないです。こちらこそ本当に嬉しかったです、ありがとうございました! (2020年1月17日 6時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 幸さん» でも書き終えた直後に現実のヤスくんがアップした自撮り写真。そこに数年ぶりにトラガスが光っていて。何とも言えない運命みたいなものを勝手に感じて心がぎゅーっとなりました。そここらの彼の変革は皆さんご存知の通りですね(笑) (2020年1月17日 6時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - 幸さん» 幸さん!こちらにも来てくださったんですね!ありがとうございます!何だかこそばゆくなるぐらいの熱い感想をいただいて恐縮しております。この作品は本当に自分の気持ちの整理の為にかなり攻めて書いた作品で、書いてる最中の心の葛藤もとても大きい作品でした。 (2020年1月17日 6時) (レス) id: bb2764f922 (このIDを非表示/違反報告)
幸 - がくたんさんの文才は、本当に素晴らしいものだと思います。あなたの作品に、何度も心が救われました。私の、宝物として。ずっと胸に刻んで、覚えておきます。私もがくたんさんのように、誰かの一生の思い出になるような、そんな何かを残せる人になります。ありがとう。 (2020年1月17日 0時) (レス) id: 295a9fdbac (このIDを非表示/違反報告)
幸 - もう、なんか…すごいです。こんなに感銘を受けた小説、初めてです。上辺だけの物語じゃなくて、そこにある人間らしさ、葛藤、全てにきちんと意味がある話で。奥が深く、一度では脳内で処理できず、4回読んでしまいました。生命力が深く感じられた作品でした。 (2020年1月17日 0時) (レス) id: 295a9fdbac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がくたん | 作成日時:2018年7月19日 8時