68話 ページ30
昼の休憩時間が終わり、午後の訓練のためリチェとロイドは僕の部屋をあとにした。
僕はというと、睡眠を貪ったおかげか随分と体が軽く、むしろ調子が良い。
駐屯兵の仕事の休みは貰ってるらしいが、何が出来ることがあればと思い隊長の所に行くことにした。
寝巻きから兵服に着替える、お飾りのようなベルトも念の為に付けていく事にする。足裏から太腿、腰から胸部と順番に張り巡らせた。
宿舎から出る際に運良く秘書に会えた為、隊長は今どこにいるのか尋ねる事が出来た。
今は器具庫に居るらしく、それ専用の倉庫へと向かう。途中で駐屯兵の仲間に心配の声をかけてくれる者もいた。
古びた建物の錆び付いた大きな扉を開け、少しだけ埃っぽい中に入る。中には駐屯兵はあまり使わない立体機動装置、壁上強化や見回り用の道具で溢れかえっていた。
その中、数名の兵士と共に、何やら物資の確認をしているらしい隊長の背中を見つけた。
「隊長、おはようございます」
挨拶をしてから拳を左胸に当てて敬礼する。
「おお、起きたか！どうだ調子は！」
「全快しました、ご迷惑をお掛けしてすみません」
相変わらず声のボリュームが大きい。隊長は満足そうに“そうかそうか”と笑っている。
「あの、体調も良くなったので、何かやるべき事があればと思い立ち寄ったのですが」
と言い終えるか終えない辺りで「駄目だ！」と即答されてしまった。
「スミス団長から休ませるようにと言われてるからな！」
「は、はあ」
誰かの支持に従う隊長を見るのはなんだか違和感がある。
この田舎町では実質最高権力を持っているのはうちの隊長だ。憲兵の人達はここを野放し…というよりサボって全くの不干渉なのだ。
よく考えれば、隊長は駐屯兵団の極小さい部隊の隊長であり、立場上は調査兵団団長の指示には従うのが原則だ。
「あ、じゃあA」
武器庫の点検をしていた兵士が手を挙げる。彼はいわゆる先輩にあたる人だ。
「隣町に郵便を出しに行ってくれないか」
隊長にも許可を取るように視線を向けながら言った。
「届けものなら馬に乗ればいいですし、たまには息抜きに外に出るのもよいかと」
「ふむ、なるほど！それも一理あるな！どうだA！」
この先輩は実に隊長を扱うのが上手い、賢い人だ。口車が得意で、聞こえは良いように聞こえるが任された仕事を僕に押し付けている。
とは言っても、何か仕事が欲しくて来たのだから願ったりだ。
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やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます､絵を褒めてもらえるのは嬉しいです!! かっこいいと言われて主人公くんも喜んでるはず!笑 (2018年7月10日 17時) (
レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - イラスト拝見させて頂いたのですが、めっちゃかっこいいですね！絵がとてもお上手ですね (2018年7月10日 14時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Rainさん» 嬉しいお言葉たくさんありがとうございます〜！マイペースに頑張っていくので宜しくお願いします！！ (2018年7月2日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごく面白いです！！これからも頑張って下さい！応援してまーす！更新楽しみにしてます！ (2018年7月1日 22時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます。コツコツ書いていくので今後とも宜しくお願いします(^O^) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2018年3月31日 23時
