54話 ページ14
立体機動装置のワイヤーが勢いよく巻かれる金属的な音が響く。
腕に力を込め、刃の先を交差させて硬い模擬皮膚を削ぎ取った。
「いやぁ、さすが首席だねぇA〜！」
木の上からハンジさんの明るく跳ねた声が聞こえる。
今日の合同訓練は午後からで、午前中に駐屯兵としての業務は終わらせてきていた。
訓練内容は巨人の模型で、足の筋を断ち切り行動不能にさせるもいったものだ。
一応巨人と対面出来るかどうか確認するために、調査兵団団長と兵士長がその様子を見に来ている。
かなり緊張していたから、ちゃんと出来ていたか不安だ。
「どうでしたか？」
ハンジさんがいる所まで立体機動で上り、気の側面にアンカーを刺したまま訊ねた。
「うんうん、良かったよ。動きにも無駄がないしね、エルヴィンにも聞きに行こう」
「はい」
2人で地上に降り、団長と兵士長の元に行く。
何やら話しているようで、互いに口は動いているが、視線は合わせず前を向いたままという、妙なシーンだ。
「ここまで出来てたら壁外調査に出ても大丈夫じゃない？」
「そうだな、動きも判断力もある、この調子なら大丈夫だろう」
エルヴィン団長はふむ、といった様子で僕を見ながら言った。「リヴァイはどう思う」と横で立っている兵長にも意見を求める。
「問題ねぇだろう」
本当に問題ないのか？と聞いてしまいたくなるぐらいあっさりしていて、逆に不安になってしまう。
「A？」
「はい？」
ハンジさんが徐に顔を覗き込む様にしてくるものだから、反射的に上半身を仰け反ってしまう。
「何だか顔色悪くないかい？」
「そうですか？自分は何ともないと思うんですが」
そう言われると、団長と兵長にも顔色を伺われる。この2人に見られると何だか落ち着かない。
エルヴィン団長は何を考えてるのか分からないし、リヴァイ兵長の視線は相変わらず鋭い。
「いや、体調を崩すのは当然だ。急な訓練と君には駐屯兵としての業務もあるだろう、疲労が蓄積してもおかしくはない」
エルヴィン団長は何かを考えるように、僕の事をじっと見ている。
頭の回転の速さと、柔らかさに特化しているらしく、まさに調査兵団の頭脳といった存在だ。
僕も一度、彼の巧みな言葉や現状により思い通りに動いた兵士の1人だろう。
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やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます､絵を褒めてもらえるのは嬉しいです!! かっこいいと言われて主人公くんも喜んでるはず!笑 (2018年7月10日 17時) (
レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - イラスト拝見させて頂いたのですが、めっちゃかっこいいですね！絵がとてもお上手ですね (2018年7月10日 14時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Rainさん» 嬉しいお言葉たくさんありがとうございます〜！マイペースに頑張っていくので宜しくお願いします！！ (2018年7月2日 17時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごく面白いです！！これからも頑張って下さい！応援してまーす！更新楽しみにしてます！ (2018年7月1日 22時) (レス) id: e08e47c2f9 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - Soleilさん» ありがとうございます。コツコツ書いていくので今後とも宜しくお願いします(^O^) (2018年6月25日 21時) (レス) id: 3f26a78505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2018年3月31日 23時
