27回目。 ページ27
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｢…じゃあ、俺は戻る。昼飯食ってねぇ｣
そう言って轟さんは、保健室のドアに駆け寄る私の横から腕を伸ばし、ドアを開けた。
さっきまでの弱々しい態度はまるで嘘のように。
凛々しい王子のような顔をした彼が横切る。
｢とっ、轟くん！？｣
｢よぉ緑谷。邪魔したな｣
｢何が！？｣
呆然と立ち尽くす私を放って、2人は会話を交わす。
なんだか心が落ち着かない。
彼の言葉が事実であれ、嘘であれ、私の気持ちが緑谷くん全てなのは確か。
近いうちに職場体験があって、とか、サポートが、とか、緑谷くんのお話は続くのに。
まるで頭に入ってこない。
上手く笑えない。
頬が勝手に熱くなる。
ばっかじゃないの。
頬を自分で引っ張ると、無意識にため息が漏れる。
｢……い、おーい、Aさん…｣
｢はっ、はい！｣
前を向くと、少し遠慮したような笑い方の緑谷くん。
私の目の前で手をひらひらして、私の返事を聞くと、｢よかった、｣と謎に笑を零した。
｢どうしたの？
悩みがあれば、僕で良ければ聞くけど…｣
｢ちっ、違うの、これは｣
不細工だったろうか。
真っ赤な頬をして。
思わずあたふたして、手を不気味に動かしてしまった。引かれてそう。
｢今日のAさん、なんだかいつもと違う｣
不安そうな顔をして、私の頬に手を伸ばす。
咄嗟に緊張で距離を置いてしまった。
変な汗が出てきた。
だめだめ、正気になれ私。
｢だっ、だよね！なんか馬鹿みたい｣
目が泳ぐ。
緑谷くんからの視線を感じるが、それを気にしている暇はなかった。
情報が多すぎて頭が追いつかない。
バカには過酷すぎる
｢えっ、いや、そうじゃなくて！｣
緑谷くんは、いつもの優しい表情で続ける。
｢なんか、こんな言い方したら失礼かもしれないけど…
Aさんって、いつもしっかりしてるから」
｢そ、そんなこと…｣
｢慌てた様子なんて普段見ることなくて、なんか可愛いな、って…｣
ボンッと頭から湯気が出るような感覚。
真っ赤な顔で彼を見ると、彼も私と同じくらい…いやそれ以外に。
驚くほど顔を赤くしていた。
二人の間に流れる時間は、時計の針が狂ったように長い。
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百合(プロフ) - オワリ...end......終..........ﾍｯ、おわり？？？？嘘でしょ...お気に入りして一生更新待ってます..... (12月16日 4時) (
レス) @page38 id: 587110230b (このIDを非表示/違反報告)
人未(プロフ) - 主人公さんが凄く魅力的で、緑谷くんとの関係も大好きです！ (2023年3月12日 22時) (レス) id: 7a0cc58a20 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - あのもう終始にやけているのですが、これは神の領域の小説ですね。ありがとうございます。 (2021年8月14日 3時) (レス) id: 56fe7289ff (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え？？？神ですか？あ、神ですね！( ´∀`)ﾊﾊﾊ好きです（唐突な愛の告白←） (2021年7月7日 19時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 凄いきゅんきゅんするとこで終わってる！！めっちゃいい所で終わってて心臓がキュッってなりました！笑 オールマイトの「あの二人脈アリなんじゃないか」のセリフちょっと面白い()更新待ってます！ (2021年3月4日 0時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年10月12日 21時
