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悪鬼め ページ5

四体の分裂鬼は、何度頸を切っても再生する。

このままでは倒せない。

焦るA。


炭治郎の嗅覚が五体目の位置を捉えた。

玄弥が頸を狙う。

禰󠄀豆子は玄弥の援護。

Aと炭治郎とで四体を引き受ける。

途中でヒノカミ神楽を使い、爆発的な成長を見せた炭治郎と、Aは今のところ善戦していた。


『玻璃の呼吸 壱の型 薄玻璃旋風』


回転して反動をつけ、三体の鬼の頸を切る。

(ありがとう。時透さん。)

Aは心の中で呟いた。

(あなたのお陰で、上弦とも戦えます。)

蕨姫花魁に通用しなかった、玻璃の呼吸を使えている。

上弦との戦いで、だ。


積怒が二人の攻撃を掻い潜って、玄弥の方に向かった。

『炭治郎!任せた!』

炭治郎が玄弥の方へ向かう。

追いかける空喜、哀絶、可楽。

『相手は、私だ!』

Aは三体に同時に切り掛かる。

こちらに引きつけた。



(あれ、何だろう?)

急に、三体の様子がおかしくなる。

哀絶が何か抗議するように口を開いた。

振り向いたのは、炭治郎たちのいる方角だ。

そのままその方向に向かって吸い込まれていく。

Aは刀を鞘にしまって、三体を追いかけた。



木の枝から枝へ飛び移りつつ、気配を探った。

上からの方が炭治郎たちを見つけやすい。

向かった先に、少年くらいの鬼を見つけた。

背負った輪に「憎」と書かれたいくつか太鼓がついている。

雷神のような見た目だ。

炭治郎たちも金縛りにあったように動かない。

Aは木の上に立ったまま成り行きを見守った。


「・・・のう 悪人 共めら」


たっぷりと間を取って、鬼が話す。

声が、重い。

すごい圧力を感じる。

どうして悪人なのか、尋ねる炭治郎。

「弱き者をいたぶるからよ。」

弱き者、とは?

本体の鬼のことだろうか。

それは違う。

弱いというなら、どうしてAたちがこんなに苦しめられているのか。

だがこうも堂々と言われると、飲み込まれてしまいそうになる。

炭治郎が激昂した。

「小さく弱き者?誰が・・・誰がだ?ふざけるな!」

さすが炭治郎だ。

Aは微笑んだ。

相手の理屈に巻き込まれない、強い思いを持っている。


「悪鬼め・・・!お前の頸は俺が切る!!」


そう、炭治郎が言い切った。

(この鬼、強い!)

四体に分かれていた力が一つになったのだから当たり前か。

ほんの短い間の戦闘でも、見ていてわかる。

恋柱の蜜璃さん→←上弦襲来



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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかる | 作成日時:2024年3月9日 9時

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