鬼舞辻無惨 ページ37
ドゴンと音を立てて、Aがさっきまでいたところが天井にぶつかった。
もう少し遅ければ潰されていた。
Aは息を呑む。
ギギィイと建物が軋み出した。
じっと上の方を見ていた悲鳴嶼が呟いた。
「まずいな・・・城が崩壊する。」
ドッと足元が崩れた。
崩落していく建物と一緒に丸まった。
衝撃で飛ばされる。
目を開けると星空が見えた。
(外だ！それなら無惨は・・・？いやでも、まだ・・・)
夜明けまで時間がある。
それに、ここは市街地だ。
衝撃音が聞こえた。
Aはバッと体を起こす。
「至急！鬼舞辻無惨ノ元ニ向カエェ！！」
鴉が指令を告げている。
夜明けまで、あと一時間半。
「A」
実弥が近くに立っていた。
ビンをいくつか渡される。
「これを鬼舞辻に投げろォ」
言うや否や走り出す。
『はい！』
悲鳴嶼の姿もある。
Aは二人を追った。
(あれが・・・)
冨岡に伊黒、蜜璃が戦っているのが見える。
真ん中に立っているのが無惨だろう。
腕が自在に伸縮している。
それと背中から触手、だろうか。
限り限りの状態だ。
蜜璃に攻撃が向かう。
すんでのところで悲鳴嶼の鎖が攻撃を逸らした。
(師範・・・)
冨岡だってぼろぼろだ。
Aは実弥に渡されたビンを投げつけた。
無惨の腕がビンを割る。
実弥が火を点けると、無惨の体が燃え上がった。
再生を阻むのか。
さすがは実弥だ。
「小賢しい真似を」
睨みつける無惨に実弥が吐き捨てる。
「テメェにはこれくらいがお似合いだぜぇ」
チャキ、と刀を構えた。
「ブチ殺してやる。この塵屑野郎。」
「村田ー！」
冨岡が叫んだ。
炭治郎が動けなくなったらしく、手当てを頼んでいる。
炭治郎がやられるとは。
同期のAにできるのか。
(いや違う。駄目だ。)
やるしかない。
炭治郎の分まで戦う。
無惨の攻撃が衝撃波を出した。
地面に亀裂が入る。
物凄い速度だ。息が続かない。
攻撃を避けたはずの蜜璃の腕が千切れた。
(蜜璃さん・・・！)
余所見しているとすぐに攻撃が来る。
『玻璃の呼吸 四の型 揺蕩い桜雨』
自分を守るので精一杯だ。
攻めに出ることが出来ない。
伊黒が蜜璃を連れて離脱した。
攻撃を捌くのが、さらに厳しくなる。
無惨の攻撃が来る。
(重い・・・！？)
流しきれずに掠ってしまった。
切れたところから血が流れ出す。
「A！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (
レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひかる | 作成日時：2024年3月9日 9時
