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上弦の壱 ページ36

悲鳴嶼、実弥と三人で向かっていく。

もう少しで届く。

そう思ったとき、動けないはずの上弦の壱から攻撃が放たれた。

体中から刃が出ている。

Aは必死で攻撃を避けた。

時透と玄弥がもろに食らった。

(時透さん・・・玄弥君・・・)

さっきまでの比ではない。

深手では済まされない。

『玻璃の呼吸 弐の型 繊月一閃』

上弦の壱に向かっていく。

Aに技が放たれる。

(え?)

動きが止まった。

時透の刀が赫く染まっている。

そして玄弥の血鬼術が、再度上弦の壱を追い詰めていた。

ドゴンと頸を斬った。



勝ったのか。

崩れ落ちそうになるA。

悲鳴嶼の声が届いた。

「攻撃の手を緩めるな!!畳み掛けろ!!」

頸が再生しかけている。

そうだ時透と玄弥の命を、決して無駄にはしない。

『玻璃の呼吸 壱の型 薄玻璃旋風』

連続で叩き込む。

頸が再生してきた。

最後に残った力を込める。

『玻璃の呼吸 壱の型 薄玻璃旋風』

不意に上弦の壱が動きを止めた。

攻撃を受け続け、体が徐々に崩れていく。

最後にカランと笛が落ちてきた。

(終わった、のか。)

Aはその場に座り込んだ。

失血で動けない。

眩暈がする。



どのくらいそうしていたのか。

実弥の声が響いた。

「動けるか?」

足に力を込めるA。

「いや、まだ動くな。止血してやるからじっとしてろォ。」

ゆっくり声の方に向く。

泣きそうなほどに優しい表情の実弥がいた。

(そうだ。不死川さん、玄弥君は。)

思い出した瞬間に涙が溢れた。

それに時透。

あんなに若いのに。

もう少し早く来ていたら。

そう思わずにいられない。

(時透さんじゃなくて・・・)

Aは考えた。

(時透さんじゃなくて、私が死んだら良かったんじゃないのかなぁ。)

柱である時透の方が、無惨とも戦えたかもしれない。

(泣くな馬鹿。しっかりしろ。無惨と戦わなきゃいけないんだ。どうしようもないんだ。)

ぐいっと片腕で涙を拭って立ち上がる。


離れたところに悲鳴嶼が立っていた。

Aの姿を認めると、僅かに頷き踵を返す。

鴉の案内に従って、鬼舞辻無惨に向かって進み出した。



まだ鬼舞辻には遠い。

少しすると城がめちゃくちゃに動き始めた。

足元がぐわっと上昇する。

(何が、起こった?)

移動圧で動けない。

ぐっと身をかがめる。

「A!」

同じ状況の実弥が叫んだ。

跳び上がった実弥はAを抱え、悲鳴嶼の隣に着地した。

鬼舞辻無惨→←時透さんは



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ひかる(プロフ) - ミユさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(*^^*) (5月7日 7時) (レス) @page42 id: c4c9e482b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 普段小説などで泣かないのですが、大泣きしました。この作品大好きです。 (5月6日 22時) (レス) @page45 id: 14f11f958d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかる | 作成日時:2024年3月9日 9時

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